『俺と上司の恋の話』キャストインタビュー


後列左から 重森役 粟津貴嗣さん、吉田役 増元拓也さん、古谷誠一郎(青年)役 村田太志さん、伊勢崎 明役 長谷川芳明さん
前列左から 高梨智明役 小野友樹さん、徳永 親役 興津和幸さん、古谷誠一郎役 二又一成さん


――収録のご感想、演じたキャラクターのご感想をお願いします。

小野さん:高梨くんは自分の感情にすごく素直な部分があるのに、ナレーションではギャップがあったりしたので、
徳永との関係性の中でそれをどういう風に演じようかなと思っていました。興津さんが引っ張って下さった部分もあって、
それに助けられつつ、素直に高梨を演じるとこができたかなと思います。

興津さん:『俺と上司の恋の話』、誰が俺なのか。徳永から見たら古谷さんが上司だし、高梨から見たら徳永が上司だし。
小野さん:このキャラクターの位置関係が、タイトルに掛かってそうですよね。
興津さん:そう。一番上にいる社長がダンディでかっこ良かったですね。とてもかっこ良かったです。
徳永は「自分がゲイだって言っちゃったよ!」と思ったところから始まって、周りがゲイじゃない環境の中でカミングアウトして
生きていくのはどういう風になるんだろうと考えながら演じました。こういう状況に置かれている作品には
あまり出会ったことがない気がします。カミングアウトしても重森さんから「ひゅーひゅー」って言われて、
兵藤さんからも吉田さんからも「ひゅーひゅー」って言われて、優しい会社で良かったな、なんて思います。
徳永さんは先輩なんだけれど、可愛いんですよ。最初に可愛さを全面に押し出して演じたら「先輩だからもうちょっと先輩らしく」
と言われて、先輩らしくしたら「ちょっと先輩過ぎる」と言われるこの微妙なラインを、網の目を掻い潜るかのように演じていきました。
原作コミックスを読んでいるとテンションが急に高くなったり、ギャグシーンもいっぱいあったので、こういうコミカルなシーンを
どうしようかなと思っていたのですが、これはやり過ぎたかなというところも許してもらえたので嬉しかったです。
怒られたのは1か所だけでした。
小野さん:「ダメ、絶対!」は怒られましたね。
興津さん:「ノンケダメ、絶対…」を勢いに任せて言ってしまいまして、あ、これ違う、これはナナメグリ先生に怒られるって
思いました。(直前のセリフの)「ぎゃあああぁ!」の勢いのまま言ってしまいました(笑)。

小野さん:最後の方に徳永が高梨のことを「ウラがない」と言っているシーンがあったんですけど、彼なりの葛藤も
作品の中には色々あったので、そこのバランスが。
興津さん:いつ惚れたんですか?
小野さん:(笑)。最初に自分の中で議論して、もう(台本の)5ページ目くらいで惚れちゃってるんじゃないかなという瞬間はありました。
興津さん:早っ!
小野さん:「張り合ってどうすんだオレ」という、どこかにそういう感情がないと出てこなかったりするセリフがあるのが
6ページめです。だからもかなり序盤に。
興津さん:(高梨は)案外適応能力が高かった。
小野さん:そこもまた良さでもあり、と思いながら演じさせていただきました。

――徳永はゲイをカミングアウトしていましたが、ご自身は色々ぶっちゃけてしまうタイプですか? 余計なことは言わないタイプですか?

小野さん:僕は人が3人以上いる時は、あまり言わない方です。
興津さん:なんで? 3人以上って自分も含めて?
小野さん:自分も入れて3人以上の飲み会とか会議になると、他の2人に喋ってもらって、僕はなるべく必要な時しか
喋らないみたいになりがちなので。
興津さん:それは僕もですね。喋らないです。
小野さん:似たところがあるかもしれないですね。
興津さん:場の空気を作るのが苦手なんで、自分の情報を出したくないんですよ。
小野さん:わかります。空気を邪魔すると良くないかな、みたいな。
興津さん:そうそう。「あーそうなんですねー、なるほどー」って言ってます。
小野さん:「マジすか! で? で?」って話を振る側に回ったり。
興津さん:僕達けっこう共演していても、そんなに自分のことは喋っていないですもんね。
小野さん:そうかもしれないですね。本当に何度も共演しているのに、進んで自分のことを話さない。
興津さん:男は仕事でコミュニケーションですよ。仕事している時が一番通じ合っていますから。
小野さん:確かにね。
興津さん:それ以外はいらないんです。
小野さん:そういうことです。



――徳永が古谷さんに憧れていたように、ご自身が憧れている年上男性はいますか?

興津さん:僕はゲイじゃないですよ。
小野さん:僕も疑われはしますけど、ゲイではないです。
興津さん:男の1割はゲイだって二又さんが(笑)
小野さん:大爆弾だった(笑)
――肉体的ではなく精神的な方向での憧れでお願いします(笑)
興津さん:二又さんがキャストトークで仰っていましたけど、男性の8割は精神的にゲイなんです。
だから尊敬する人はいっぱいいます。ほぼほぼ皆さん尊敬しています。リスペクトしています。(年上は)長生きしているんですよ。
その分色々経験しているはずですし、年下でも社会経験豊富な方もいっぱいいらっしゃいますし。
小野さん:経験値がね。
興津さん:歳を取るとだんだん考え方が凝り固まってくるので、柔軟な思考を持つということは素晴らしいなと思います。
この間姪っ子と遊んだ時、姪っ子は15分ごとに違う遊びを始めるんですね。このバイタリティーは見習わなければいけないと、
本当に尊敬しています。

小野さん:目上の方への尊敬は、特定のどなたというのも勿論ありますけれど、興津さんの言った通り、たくさんの先輩方、
今日は二又さんが僕らの社長として君臨して下さって。
興津さん:君臨(笑)
小野さん:お芝居の中で温かさと柔らかさみたいなもので包まれているような感じがしていました。お芝居をさせていただいていても、
そういう方がいてくれるだけで安心感があったり、そういったものを感じられる空間作りをして下さっていると思っているので、
本当に尊敬できます。
興津さん:シーン14の最後、二又さんの「天国って年とるのかなぁ…。……君だけ若いままだったらヤだなぁ…」って
セリフがあったんですけど、これがすごく良かったです。
小野さん:(納得)
興津さん:この包容力というか、優しさというか、すごく良かったです!
小野さん:そうですね。素敵に年齢を重ねないと表現できないような芝居をなさっていたような気が、僭越ながらしていました。

――ファンの方へのメッセージ。

興津さん:『俺と上司の恋の話』は本当に素敵なお話でした。ボリュームたっぷりで聴きごたえがあるのに、
あっという間に聴き終わってしまうような、とても面白い作品になっているんじゃないかと思っております。
ぜひとも『俺と上司の恋の話』をよろしくお願いします。君の周りにはどんな上司がいるのかな?
小野さん:問いかけで〆た(笑)

小野さん:今回『俺と上司の恋の話』が音声になるということで、精一杯演じさせていただきました。
高梨と徳永の好いた惚れたは勿論、社長の過去話が入って来るのがまた物語の厚みを増してくれている素敵な要素だと思うので、
全部通して楽しんだ後にもう1度聴いていただくと、社長の印象もまた違ったものになりのかもしれないので、ぜひ2度3度と
原作、ドラマCD合わせて楽しんでいただけると嬉しいです。そして原作の続編ではイルカちゃんが川流れと(笑)
興津さん:(笑)
小野さん:なかなかな展開が待っております。気になる方はぜひ。皆さんの声が大きければ、もしかしたら川流れも……
イルカにボイスは付かないですけど(笑)また音声として皆さんにお会いできるかも知れないので、
ぜひ楽しんでいただければと思います。ありがとうございました。




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