『気まぐれなジャガー』キャストインタビュー
後列左から ラン役 柳田淳一さん、スー役 三好晃祐さん、ミキ役 猪俣慧士さん、椎名駿英役 櫻庭有紗さん
坂井優也役 外崎友亮さん、宗純父役 武田幸史さん、山本静佳役 中西尚也さん
前列左から 椎名宗純役 内田雄馬さん、麻生 新役 前野智昭さん
――収録のご感想
内田さん:『気まぐれなジャガー』、楽しく収録させていただきました。バンドメンバーとかがいて男所帯だったので、
そういう意味でも楽しかったです。僕自身学生時代に吹奏楽をやっていたり、バンドをやっている人や音楽関係の人が
近くにいることも多くて、そういう仲間内のチーム感や関係性、リアルなものをある程度知っているからこそ、
そんな中で生まれる友情以上のものが新鮮に感じられました。
前野さん:努力だけではどうにもならない才能を宗純は備えていて、才能が開花した瞬間にアラタが努力して積み上げてきたものが
抜かれてしまうその寂しさというか、切なさは本当に共感できました。でもそれをジェラシーで終わらせない辺り、彼の人としての
器の大きさが現れていて、こういう人間になりたいと素直に思えるキャラクターでしたね。
――「椎名宗純」について
内田さん:宗純は正に自由な人で、心の赴くままに生きたらすごい才能を持っていて、羨ましい話です。僕は結構メンタルが弱いので……。
前野さん:そんなことないんじゃないですか?
内田さん:メンタルの弱さは豆腐くらいです。
前野さん:豆腐メンタルですか。
内田さん:だからあんかけとかでコーティングしています。
前野さん:よくわからない(笑)
内田さん:自由に生きている人は、この人はもっと自由になったらどうなるんだろうとか、見ている側も先が見えない楽しさもあって、
そこが人を惹きつけるポイントなのかなと思うので、参考にしたいです。
前野さん:どこかに「俺、結構すごいから」みたいな部分があるんですよ、宗純みたいなタイプの人間は。
内田さん:そうですね。
前野さん:(作品の中でOrbitaの音楽を聴いて)自分の方が上手いって確信はあるのに「感動したけど、でも俺とどっちが上手い?」
って言って。こういうタイプの人は守りに入らないんですよね。常に攻めの姿勢でいられるから、そこが強い。
この業界にもそういうタイプの人がいて、見ていて羨ましいなと僕のような凡人は思うわけですよ。
内田さん:いやいやいや。
前野さん:本当に。選ばれた人っているんだなと思いますね。
内田さん:圧倒的に努力の人が多い世界で。
前野さん:大きい才能を開花させた瞬間に突き抜けちゃう人は本当にいるんで、宗純はそういうタイプの人間なんでしょうね。
内田さん:自分にも眠ってないですかね、そういうの。
前野さん:眠っててほしいですよね。才能が開花して、「俺、やっぱり選ばれてたんだ」ってなりたい。
内田さん:憧れるな。
――「麻生新」について
前野さん:諦められるというのはそれだけ自分のことを俯瞰で見られているんだろうし、自分はこのまま続けていてもダメだろうと
自分で線を引ける強さも人間には必要だと思います。そういう強さをアラタは持っていましたね。僕はたぶんそういう強さがないんですよ。
(声優の仕事も)下積みの時にこのままやってもダメだからと違う道に行った人の方が、自分で線を引く強さがあるんだと思います。
僕はその強さが発揮できなくて、声優という夢に縋ってなんとかそれが形になってお仕事させていただけたから良かったですけど。
しかもアラタは宗純の才能を妬むだけじゃなくて、もっとこの才能を世に知らしめたいと思える心の広さもある。
内田さん:器がめちゃめちゃでかいですよね。
前野さん:そういうところも、すごくかっこいいなと思いますね。
内田さん:幸せになれると思いますよね、一緒にいると。
前野さん:なれますね。
――バンドを組んだ経験や、やってみたいパートは?
前野さん:雄馬さんクラスになったらボーカルじゃないですか?
内田さん:なにを言うんですか(笑)
前野さん:ボーカルがバンドの華ですからね。
内田さん:間違いなく僕はボーカルになりたいです(笑)。一番目立って帰りたい(笑)
前野さん:(笑)。でもだいたいみんなボーカルじゃないですかね。
内田さん:前野さんはバンドやったことありますか?
前野さん:ないですけど、ボーカルかドラマーがもてそうですよね。
内田さん:ドラマーはめっちゃいいですよ。
前野さん:かっこいいですよね。
内田さん:僕、小6の時卒業文集に「ドラマーになりたい」って書いてたんですよ。
前野さん:今からでもなれるんじゃないの?
内田さん:だいぶ遅いスタートですけどね。今からツーバスとか練習して。
前野さん:(自分がやるなら)ボーカルかドラムですね。前にイベントで生バンで歌った時に、ドラマーの中でも5本の指に入る方と
一緒にやらせていただいたんですけど、もう「うわーっ」「わーっ」ってなったんですね。本当に圧倒されたんで、
もしバンドをやる気かいがあるならそういう存在まで登りつめてみたいですね。
――ご自身の人との付き合い方や距離感は?
――椎名のように3ヶ月くらい消えたりすることはありますか?
前野さん:放浪癖じゃないですか(笑)
内田さん:この仕事に向いてない(笑)
前野さん:捜索願出される(笑)
――逆にべったり一緒にいるタイプはどうでしょう?
前野さん:べったりはダメなんですよ。好きな人でも親友でも。「離れたくな~い」とか言われても「あーもうっ!」って。
内田さん:1時間は自分の時間くれよ、みたいになりますよね。
前野さん:べったりは嫌ですし、いきなり急にいなくなられても困ります。
内田さん:ドキドキしちゃいますしね。
前野さん:「なんかしちゃったかな、ごめんね」ってなっちゃうし。
内田さん:大丈夫か心配になります。
前野さん:適度がいいですね。
内田さん:あ、でも一緒にいるだけならいくらいてもいいです。
前野さん:べったりでもいいの?
内田さん:いるだけなら。構ってってなったら1時間でいいかな……みたいな。姉がいるので誰かと一緒にいるのは慣れてるんですよね。
人が近くにいる分には落ち着きます。一人でいるより怖くないんで。
前野さん:僕も別にいるのはいいですけど、適度に放っておいて欲しいです。あまり踏み込んで来られるのも……。
内田さん:わかります。
――アラタのように3ヶ月放置されるのは?
前野さん:それは嫌です(笑)
内田さん:嫌です(笑)。絶対嫌です(笑)
――リスナーさんへのメッセージ
内田さん:宗純というすごく自由な人をやらせていただきました。こういう天才の周りにはやはり支えてくれる人も集まるもので、
その中でもアラタは自分の道を見つけさせてくれた人なので、その支えの元で椎名がどれくらい大きく成長していくのか気になっています。
原作は1巻と書かれていたので、この先もまた皆様にドラマCDとしてお届けできたらいいなと思っております。どうぞこれからも
応援をよろしくお願いします。
前野さん:音楽の世界では実際にこういうことがあるんだと思います。僕らの業界的にもすごく共感できるお話でした。
色んな方に聴いていただきたいですし、まだ原作をお読みになっていない方はぜひ読んでいただいて、原作の繊細な世界観を
楽しんでいただきつつ、『気まぐれなジャガー』2巻が出た暁にはまた僕らのお芝居もお届けできるように、原作共々ドラマCDの応援も
どうよろしくお願い致します。