『ただれた恋にはいたしません!』キャストインタビュー




後列左から 二丁目のバーのママ役 ソンドさん、ハッピーマリンのメンバー役 小笠原 仁さん、恭平の母役 藤田奈央さん、ばーちゃん役 小口久仁子さん、村田役 堀江 瞬さん、ハッピーマリンのメンバー役 本橋大輔さん
中列左から ハッピーマリンのメンバー役 松岡洋平さん、じゅんぺー役 長谷川育美さん、恭平の姉役 東城日沙子さん
前列左から 高良友博役 野上 翔さん、宮沢恭平役 白井悠介さん、雄太役 深町寿成さん

――収録のご感想

白井さん:今回は相手が野上翔と聞いてちょっと意外だなというのがあり、収録を楽しみにしておりました。この作品はシリアスな部分もあるけれども、コメディ要素が強くて明るいのでその雰囲気が少しでも出せてればと思います。特に恭平は感情の上下が激しいキャラクターなので、その辺を意識して演じさせていただきました。

野上さん:普段使わない音域だったから、まだ高良くんから声が戻りません(笑)。お相手が付き合いの長い先輩の白井さんで、白井さんがBL作品に出られているのは知っていたし、僕も最近メインをやらせていただくようになったから、こういう場合もあるよね、遂に仲良くしてもらっている人と絡む日が来たか、と思いました。ただ攻めというのは経験が少なかったので、カラミのシーンでは白井さんにリードしていただいた感じでした。
白井さん:いやいや(笑)
野上さん:お話はすごく日常感があふれていて、個性が豊かすぎる人達が二人の周りにいるから、日常シーンも聴き応えのあるものになっています。ほのぼのしているところはほのぼのできるし、笑わせるところはたぶん笑っていただけると思うし、真面目になるところもあってメリハリがしっかりと利いています。楽しく収録させていただきました。

――東京に出てきたのは役者になる為ですか?

野上さん:そうです。
白井さん:僕も声優目指して。
野上さん:まったく一緒です。声優目指してやって参りました。

――最初に東京に来た時の印象は?

野上さん:「電車って3分に1本来るの!?」。
白井さん:そうだね。
野上さん:あとは月並みですけど「人多っ!」。
白井さん:僕はまさしく恭平と同じ感想を抱きました。「こんなに早い速度でホームに電車が入ってくるのか」。本当に最初はちょっと怖かったですね。
野上さん:確かに怖かったです。朝、某Y線で先頭に並んでいたのに、周りの圧が怖くて1本見送ったことあります。
白井さん:朝の満員電車とか体験したことなかったですから。びっくりしちゃいましたね。
野上さん:忙しない感じですよね。
白井さん:僕の出身地も恭平くんと近いので、すごく共感できるなって。あとは僕も都会人好きじゃないんで(笑)
野上さん:そこは僕も共通してます(笑)。田舎ラブだから。
白井さん:そうそう。恭平くんの気持ちがすごくわかりました。
野上さん:そうですね。


――虫が色々出てきたこの作品。虫は好きですか?

野上さん:田舎出身だからといって、必ずしも虫をれるわけではないんですよ! ゴキブリくらいなら平気ですけど。
白井さん:じゃあ逆に何だったらダメなの。
野上さん:トラウマが1個あって、高良に一番共感できたのが蛾!
白井さん:あ~。
野上さん:幼稚園の頃、団地に住んでいて、その団地の真ん中に小さい公園みたいな場所があったんです。団地の子供達がみんなで遊べるようにって。そこでお友達と遊んで、家に帰って、用心の為にいつも鍵を掛けていたからチャイムを押して母に開けてもらおうとしたら、チャイムの横に蛾がいたんですよ。成人男性の手のひら×2くらいの大きさ。片翅が手のひらくらい。
白井さん:モスラだ。
野上さん:今日虫のシーンでやったリアクションは、あの時の思い出を大袈裟にしたものです。「うっ」って息が止まります。それ以来チョウチョは嫌いですね。
白井さん:でも手のひら2つ分は嘘だよ。
野上さん:本当です。
白井さん:(自分が)小さかったからそう見えただけ。
野上さん:現実にはそうだったのかもしれないけど、僕にはそれくらいに見えた!
白井さん:なるほどね。
野上さん:白井さんの好きな緑色のボディしてましたよ。緑に黄色とオレンジの斑点みたいなのがあって。でかい蛾って触角にふさふさしたのが見えるんですね。
白井さん:見える見える。
野上さん:思い出しただけで鳥肌が立つ。
白井さん:けっこうキレイじゃない?
野上さん:エメラルドグリーンだったら美しいけど、ドブみたいな色でしたよ。
白井さん:そっか……。でも日本だけだよ、蛾とチョウチョを区別してるの。海外では一緒よ。
野上さん:そうなんですか?
白井さん:らしいですよ(笑)
野上さん:にわかじゃないですか(笑)
白井さん:呼び名は一緒らしいです(笑)。僕は逆にゴキブリがあまり得意じゃないです。というのも、長野にはゴキブリが出ないんですよ。
野上さん:え?
白井さん:僕が住んでいた地域では出なかったですね。標高が高いのと、年中涼しいのもあって、日本では北海道と長野近辺は比較的ゴキブリが出ないって言われてて。
野上さん:そうなんですか。
白井さん:なので僕は東京に来てから初めて「はじめまして」して、本当に驚きました。それまで見たことなかったんで、現物を。悲鳴は上げなかったけど、心の中では叫んでたくらいびっくりしました。
野上さん:ゴキブリってなんであんなにみんなから恐れられるんですかね? 僕も見ると「おぅっ!」ってなりますけど、他の虫と何が違うんですか? 動き?
白井さん:あれは遺伝子的にもう。
野上さん:DNAから?
白井さん:人になる前の我々は、ゴキブリに虐げられていた歴史があるんです。
野上さん:先祖の先祖の先祖くらいに。
白井さん:先祖の生き物の記憶が脳裏にこびりついているんですよ。
野上さん:真顔で嘘つくんですね(笑)
白井さん:いやいやいや(笑)。嘘とは限らない。
野上さん:一説としてはあるかもしれない(笑)。白井説(笑)
白井さん:他の動物には何も思わないのに、虫全体は苦手な人が多いじゃないですか。不思議な話ですよね。
野上さん:そうですね。
白井さん:とはいえ僕はイナゴは食べていましたけど。やっぱり長野なんで。
野上さん:本当に食べるんですか?
白井さん:食べるさ。
野上さん:食卓に並ぶんですか? ご飯、みそ汁、イナゴって?
白井さん:ありますよ。
野上さん:ご飯、みそ汁、イナゴ、ハンバーグ……。
白井さん:特にお婆ちゃんの家に行った時は出ますし、恭平くんと同じように僕も小さい頃はイナゴを捕りに行って、茹でて、ギザギザした脚を取って、佃煮にして食べていました。
野上さん:だから原作のイラストでもそうだったんですね。食べるシーンで、なんで脚を描いてないんだろう、ちょっとマイルドにしてくれてるのかなと思ってたんですけど、本当に取ってるんだ。
白井さん:ギザギザしている部分は口の中で引っかかっちゃうから、取ることが多いですね。うちはそうでした。
野上さん:本当にエビみたいな味がするんですか?
白井さん:しないと思いますよ(笑)。味自体は佃煮の味だから。
野上さん:そっか、しっかり味はついているのか。
白井さん:触感はエビっぽさはあるかもしれない。殻のイメージですね。

――リスナーさんへのメッセージ

白井さん:ほぼ虫トークしかしてないのに(笑)。この作品は最初に野上くんも言っていましたけど、個性豊かなキャラクター達が出てきて、その中でも僕はお婆ちゃんがお気に入りですね。お婆ちゃんと村ちんのやりとりはすごくほっこりしますし。
野上さん:いいですよね。
白井さん:雄太お兄ちゃんもまた。
野上さん:エッチですよね、見た目。
白井さん:エッチ……? まあ深町だから。深町、声エッチだから。
野上さん:エロボイス(笑)
白井さん:(笑)。そういう個性豊かな人達と色んな出来事が起こる中で、童貞の恭平がいかにして高良に心を奪われてしまうのかというところが見どころです。漫画の中でなんかほわっとした顔になっているところがいくつかあるんですよね、重要なセリフのシーンで。そういうところが僕はすごく印象的で、演じる時もそこを意識して演じましたので、細かいところのニュアンスを原作と見比べて楽しんでいただけたらなと思います。よろしくお願いします。

野上さん:印象的なキャラクターでお婆ちゃんと村ちんは白井さんが言って下さったので、僕はオネエのバーテンダーと高良の元カノ。
白井さん:最後のね。
野上さん:この世界の人々はみんな決めゼリフを持っているのかというくらい、印象的でした。壮大な事件が起こるわけではなく、高良と恭平を中心に周りの人達をちょっとずつ巻き込みつつ巻き込まれつつ、二人が親交を深めていって、愛を育んで、最終的に恋人になるのかなという過程が丁寧に描かれています。何度も聴いていただきたいなと思います。高良くんが虫でリアクションするシーンは本当に僕が急に大声を出しますので、原作をご存知の方はもちろん、CDと一緒に原作を買うとか、まだ未読の方は先に原作を読んでいただいて、そろそろ叫ぶなと思ったら若干音量を絞って下さい(笑)。僕のリアクションと、それに対する白井さんのリアクションも楽しんでいただければと思います。どうぞよろしくお願い致します。