Interview

インタビュー

プッシーキングさまの悪癖

ファティ役 小野友樹さん カドリ役 寺島惇太さん
ラビ役 石谷春貴さん サーデク役 羽多野 渉さん
左から:サーデク役 羽多野 渉さん、ファティ役 小野友樹さん、カドリ役 寺島惇太さん、ラビ役 石谷春貴さん
――収録のご感想
小野さん:気の置けない仲間達と、合間に気の置けないトークをしながら、2日に渡って収録させていただきました。ファティに関しては、高貴な雰囲気の中に愛嬌を感じられるような表現が届けられればと思っています。カドリ役の惇太がぶつけてくる真っ直ぐな気持ちに、時に戸惑い、時に真っ直ぐ応えながら僕も全力で演じさせていただきました。楽しい収録でした。
寺島さん:シリアスなやり取りもあるけれど、コミカルな場面も多い作品の雰囲気が好きです。演じている身としては、コメディもありシリアスもあり色んなお芝居ができて、全編に渡って楽しめました。カドリがずっと気持ちをぶつけ続けることで王サマが徐々に心を開いていってくれるのが、僕もカドリにシンクロして本当に嬉しくなるような収録でした。最後の「やめろよ~」とじゃれ合って終わるところ※1は、ふたりがこういう関係になれて良かったなと思いました。その後のふたりも見てみたいし、個人的にアミルくんがすごく好きだったのでアミルくんがまた何か仕掛けてくるような復活劇がないかな(笑)
一同:(笑)
寺島さん:すごく楽しかったです。
※1 「07 その後の話 プッシーキングさまの手腕について」
石谷さん:原作を読ませていただいた時に、なんて男性の体をキレイに描かれるんだろうと思いました。細かく細かく描き込まれていて、表情もわかりやすかったから、演技でどう味付けしようかというのを迷うこともあまりありませんでした。現場でお芝居を聞いているのも楽しくて、サーデクの滲み出る従者感からのラビへの対応の柔らかさに僕は引っ張ってもらったなという印象です。ラビとサーデクの関係もそうですけど、それぞれのカップリングの関係性がドラマの中でちゃんと描かれていて、そこから進展していくのが丁寧に描かれていたので、気持ちも持って行きやすかったですし、この作品に出られて良かったなと思いました。
羽多野さん:計2回の収録が無事に終わってほっとしています。1回目の第一声からそれぞれの役者がキャラクターをかなり深いところまで考えて表現されていて、一緒に収録できるのが嬉しかったです。サーデクは完璧な執事ではなく、不器用で、その一生懸命さが俯瞰で見るとちょっとコミカルに見えるようなキャラクター像を目指しました。不器用故にラビへの思いが溢れてしまっている部分も面白いんじゃないかと思います。会話ややり取りも小気味良いテンポで進んでいくから、聴いてちょっとクスっとなっていただけると嬉しいです。
――ファティとカドリから見たラビとサーデクは?
小野さん:ファティも言っているように、もどかしさはありました。ふたりの気持ちに気づいているからこそ、お膳立てしてやってんだからくっつけよ! みたいなのもあったんじゃないかと思います。この辺りにファティの従者への優しさや思いがあったり、ただオラついているだけじゃない、ファティの王サマたる所以みたいなものもあって、ふたりを通してファティの人間としての厚みを感じられました。
寺島さん:最初はヤバイ王サマとそれに仕えているヤバイ従者。
一同:(笑)
小野さん:違ってないけどね(笑)
寺島さん:カドリ的には最初はドン引きなんですけど、途中からはカドリがやめろと言えば王サマはちゃんとカドリの言葉を聞いてふたりに対する態度を変えてくれたし、どんどん優しくなってくれたので嬉しかったです。特に最初の、カドリが登場するより前のシーンはとんでもない酒池肉林だったので、僕は原作を見て、ここに飛び込んで行ったらどうなっちゃうんだろう……みたいな気持ちだったんですけど、最終的にはみんな常識というかハートを持った人達だったので良かったなと思いますね。
――ラビとサーデクから見たファティとカドリは?
石谷さん:ふたりには身分差があって、そんな中でファティにとってのカドリは初めて自分に何かを言ってくれる人だったと思うんですよね。
羽多野さん:うん。
石谷さん:で、カドリもファティみたいな対応をしてくる人は初めてで、お互い初めて同士が徐々に徐々に気持ちが変わっていって、ほだし絆されていくところは、従者とおんなじような気持ちで見ていました。「あ、この人がいてくれれば安心だ」「ふたりでいれば安心だ」って。ピースが嵌ったような感じがありましたね。
羽多野さん:まさにピースだよね。お互いに足りないものがあって、相手がそれを上手いこと持ってたみたいな感じで。だからラウンドごとに燃え上がっていったし、(CD巻末収録の)トークで惇太くんも言ってたけど、ベッドではカドリが攻めるんだ!? みたいなファティにとっては最初に思っていたのとは逆の流れなのに、ストーリーに無理やりさがないから「そうなのか」と納得できて、必要だからこうなったんだなと感じられましたね。
――日本ではなく「湾岸諸国 某都市」が舞台だった本作。世の中が落ち着いたら行ってみたい国や、おススメの国は?
小野さん:ドバイに行ってみたいですね。
石谷さん:行ってみたい。
小野さん:ドバイはがばいと聞いていますよ。相当moneyががばいと(笑)
寺島さん:へ~(笑)
小野さん:ハリハリファイファーみたいなのが。
羽多野さん:あるね、すっごい高いビルでしょ。ブルジュ・ハリファじゃなかったっけ。
小野さん:それです。そういうところがあったり、オイルマネーの贅を尽くすとこうなるという体験をしてみたいと思います。
羽多野さん:確かに行ってみたい。一生かけても見られないような景色を見てみたいね。
寺島さん:僕はハワイに1回も行ったことがなくて、ちょうどこの前テレビで芸人さんがハワイをオススメする番組をやっていて。
羽多野さん:見た。
寺島さん:しかも日本人が多いから、英語ができなくてもなんとかなるみたいな話も聞いたので、ハワイは死ぬまでには1回行ってみたいなと思いますね。
石谷さん:僕は海がすごく好きなので、海がきれいなところと、水の都ヴェネツィアに行ってみたいです。
小野さん:いいな~。
石谷さん:船で移動して写真をいっぱい撮りたいです。ハワイも行きたいんですけど、先々ヴェネツィアがなくなってしまいという話もあって……。
小野さん:水に沈んだ都に。
石谷さん:水に沈んでしまうというのを聞いて、その前になんとしても行きたいなと思っています。
羽多野さん:三人が挙げたところ全部行きたいんですけど、それ以外だと世界の古代遺跡を線で結ぶと1本の線になる、レイラインができるなんて言われているので――。
小野さん:始まりましたよ(笑)
羽多野さん:エジプトから出発してちょっと世界一周したいですね。
寺島さん:僕もついていきます。
羽多野さん:一緒に行こうね。
寺島さん:そういう話大好き。ピラミッド見たいですね。
羽多野さん:ピラミッドからイースター島とか色々繋がるんだって。
寺島さん石谷さん:へ~。
――発売を待っている方々へのメッセージ
小野さん:収録が終わってすぐ、またやりたいなと思える作品でした。今回大団円を迎えてはいるんですけれども、このメンバーとまたやりたいから続編を期待しています。今作を楽しんでいただきつつ、お声をいただけたらこのメンバーでまたお会いできる機会があるかもしれないので、引き続き応援の程よろしくお願いします。
寺島さん:収録現場も楽しかったですし、内容も笑いあり涙ありですごく楽しいと思います。料理が結構出てきて、ビリヤニはここ1~2年で知った料理なんですけど、演じながら食べたいなってなりました。お腹が空いている時に聴くと飯テロになる場合がありますのでご注意下さい(笑)
一同:(笑)
寺島さん:ダイエット中の方などは、このドラマCDを聴くと途端に食欲が増えちゃうんで、そこは気をつけていただきたいです(笑)。作中に出てきた料理に注目してみたり、色んな楽しみ方をしてみて下さい。
石谷さん:今回の作品では、収録現場で皆さんと掛け合いができたことが何より嬉しかったです。ドラマCDならではの掛け合いとか、お芝居の中でコミュニケーションを取る楽しさがすごく詰まっている作品だと感じました。原作を読んでいた時とはまた違う、現場ならではの化学反応みたいなものは効いていても楽しいし、やっていても楽しいです。ドラマCDの収録ってこうだよな、という良さが声やお芝居から伝わったらいいなと思いながら演じていました。またこの4人で楽しくわいわいとテンポ良く掛け合いたいです。休憩中の話もすごく楽しかったので、そこも収録して聴かせたいくらいでした(笑)
小野さん:聴かせられないものもあったよ(笑)
寺島さん羽多野さん:(笑)
石谷さん:ぜひとも皆様もこのドラマCDを楽しんで下さい。よろしくお願いします。
羽多野さん:改めてみんなで収録できるのはすごく幸せなことだし、掛け合うからこそ生まれてくるものがたくさんあるなと感じました。また、素晴らしいメンバーが揃ったんだなと言うのを実感する収録だったと思います。とっても楽しかったですし、原作ファンの方にも楽しんでいただきたいです。トークの中でも、インタビューでも言っていますが、彼らのこれからがちょっと気になるような終わり方で、勝手な要望ですけど、後日談みたいなものをいつかおわる先生に描いてもらえたらな、なんて。そうしたらいつでも即サーデクです。
一同:(笑)
羽多野さん:小野くんも準備万態だしね。
小野さん:ええ。そういう意味ではこの作品、おわる先生にはぜひ「おわらない」で。
羽多野さん:ありがとうございました。