ヘタクソラブステップ
辻本小太郎役 佐藤 元さん
吉野蒼生役 柿原徹也さん
左から:吉野蒼生役 柿原徹也さん、辻本小太郎役 佐藤元さん
――収録のご感想
柿原さん:結構しっかりと内容の詰まった台本をいただきまして、ちょっとその、受けの元くんがすごく大変そうで体力的に耐えられるかどうかが……(笑)
佐藤さん:(大爆笑)
柿原さん:久しぶりにこんなに愛し合っている作品を見たので、僕は攻めでしたけどちょっと隣を気にして、体力のバランスを考えながら愛させていただきました。久しぶりの攻め、楽しかったですね。
佐藤さん:お気遣いいただきありがとうございます(笑)。確かに初めて台本をもらった時は「お~……」と思って(笑)
柿原さん:ページ数でいうと57ページありました。
佐藤さん:小太郎は何もわからないところからの始まりだったから、蒼生に「これは何だ?」と感じることではまっていきました。でもすごく理性が強い子なので、「こうしちゃいけない」「ああしちゃいけない」となることも多くて、今回蒼生に絆されたことでそういう少し硬い部分も柔らかくなったのかな、なんて作品を通して思いました。あと、相手の幸せばっかり願う子だから幼馴染の京に振り回されても一緒にいたり、蒼生に絆されたのかなというのも、なんとなく思ったりしました。
――相手キャラのご感想
佐藤さん:蒼生は色んな方と関係を多々もっていらっしゃって(笑)。それには理由があると思うんですけど、今回は一番寂しいパターンだったのかなというか。本物の愛情が欲しいのに、かりそめの愛情を求める姿は、自分にナイフを向けているようで見ていて可哀想だなとずっと思っていました。だからこそ、ちゃんと愛してるとか好きですって言える相手が彼に現れて、本当に良かったです。
柿原さん:最初に会った時は「こいつ何もかもが初めてで、独りぼっちで、絡みづらいな~」だったのが、いいタイミングで小太郎くんと擦れ違ってしまったが故に、彼に興味を持って、話をして、話せば話すほど過去の自分とダブる部分があって、そんなところに惹かれたんだろうなというのと、蒼生も表向きは陽に見えても陰なところもあるし、小太郎くんが蒼生と接することによって、少しずつ陰だったものが陽になっていくというか、二人にしかわからない陽の明かりや温かさが芽生えてエンディングに繋がっていったんだなと思いましたね。なんかこの二人、どっちも暗いんですよね、実は。
佐藤さん:(笑)
柿原さん:だけど、方向性の違う二人だから、お互いが持っていなかったものを二人で見つけられたんじゃないかと思います。
――自分がヘタクソだな、不器用だなと思うことは?
佐藤さん:僕は絶対ダンスです。昔、企画の中でダンスを覚えようというのがあって、ちゃんとしたレッスンの先生についていただいたにも関わらず、びっくりするぐらい膝が曲がらない(笑)。タイミングが取れない。ボックスステップが踏めない。運動神経がゼロすぎて、「えっと、すいません、どうなってます?」って。たぶん僕は花笠音頭とかの方が踊れるんですよ! 某格闘漫画の空手家で愚地克巳という人がいまして、その人はマッハ突きというのをやるんですけど、関節を増やすイメージを持っているそうで、「きっとダンスができる人達はみんなそうなんだろうな、関節が多いんだ!」と思うようになりました。お祭りのリズムの方が踊れるので、僕は本当にダンスは苦手です!
柿原さん:まあしょうがないよね。日本人はオンでダンスする方が得意だから。
佐藤さん:(笑)
柿原さん:日本の祭りは「パパン、パン(手拍子)」で裏拍ではなく全部オンだから、それがやっぱり日本人には合っている動きなんだよね。盆踊りとか全部そうなの。
佐藤さん:小学生の頃は、学校内で一番花笠音頭が上手かったんですけどね。
柿原さん:僕がヘタというか苦手なのは化学です。他の教科でちゃんと点数取れば、化学はもう0点でもいいやというくらい、学生時代は全部捨ててました。大人になってからも使ったことないです。
佐藤さん:全く一緒です。
柿原さん:すごく大切なものは自分の中では育てたつもりなので。ちょっとどこか苦手なものは捨ててもいいんじゃないの、苦手なことをめちゃくちゃ一生懸命しなくても大丈夫だよ、っていうのは、今の学生の子達には言いたいなと。
佐藤さん:これはたぶん、受験前には聞かない方がいいですね(笑)
柿原さん:そうなの? 化学捨てて、違う学科に行けばいいじゃん。
佐藤さん:化学も一応ね、共通テストで出たりすることもございますから。
柿原さん:僕、日本の学校じゃないから全然わかんない(笑)
佐藤さん:そこでそれ出してくるのずるい(大爆笑)
――発売を待っている方へのメッセージ
佐藤さん:この作品は柿原さんも仰っていたように、陽と陰という正反対なキャラクター達が出会ってどうなっていくのか、という風に見えて、実は陽と陽、陰と陰だったり、遠い世界のことのようで実は近い存在だったりと、「実は」という部分がすごく多くなっています。なので共感性が高い作品なのかな。昨今色々ありますけど、どんな方を好きになろうとも、心から行動できる、そういう勇気を出す後押しをしてくれるような作品だと思いますので、原作も勿論楽しんでいただきたいですし、原作を読んだ上で音声も楽しんでいただけたらと思います。
柿原さん:聴いてもらえれば本当に幸いですね。久しぶりに大学生を演じられたというのと、僕はもう40歳で大学生だった頃から20年経ってしまったので、僕らの時代の大学生の感覚の子ではなく、今の考え方の子達やその世界観に入っていけるのがすごく嬉しいです。(依子)先生が作品を描くにあたってリサーチされたであろう現代社会、最近の学生の考え方だったり、恋愛模様だったり、距離感だったりの、僕らの世代では絶対に触れられない世界に触れることができたのは非常に楽しかったので、現役世代の皆さん、これから大学に入る子達だけでなく、僕らと同世代の皆さんにも今時の子達の恋愛模様を聴いていただいて、何か感じ取ってもらえたらなと思っております。ご期待くださいませ。