淫魔くんデリバリー

伊東さん：この作品をやる上で、テンポ感や軽さがポイントだなと思いました。ツッコミのスピードだったり、オタク口調になった時の早口は演じていて楽しかったですね。BLはぼぼ男ふたりの会話劇になるので、親交もあって、よく遊んでもらっている坂田くんと一緒にできて嬉しかったです。

伊東さん：（貴明は）よくいるサラリーマンなのに、女児アニメが好きで、しかもメジャーではない敵役の方に感情を抱いてしまうマイノリティさがあるのが彼のポイントだと思います。そんな中、すばるくんと出会った時の貴明の感情、ネムてゃへの感情のゴールはどこにあるんだろうというのは最初にすごく考えました。夢男子なのか、ネムてゃとどうこうなりたいのか、でも同人誌も描くわけですから、ネムてゃの恋の行方を見守りたいのか。そういう面がいくつかあるから、貴明自身も暴走モードに入る時がありますし、一見すごくノーマルに見えても、ちょっと見方を変えるとアブノーマルさが出てきたりして、そういうところが面白いなと思いながら原作を読んでいました。

伊東さん：「出ませんか？」って言われたからです。
坂田さん：僕もマネージャーさんに確認していただいて「全然やりたいです！」って返したからです。色んな人から芝居の勉強になると聞いていたから、「やりたい！」ってなりました。
伊東さん：それは本当にそう。
坂田さん：カラミのない役で参加した時に、こんなに空気感を合わせたり、息を合わせたりする現場もないなと思っていたので、お話をいただいて、ぜひぜひってやらせていただきました。
伊東さん：メインはずっと喋っているじゃないですか。
坂田さん：そうですね。
伊東さん：これは本当にありがたい機会ですよね。あとは読んでみると面白い作品もすごくあるので。元々こういう世界はあんまり詳しくなかったし、僕は全然アニメも見てなかったのが、だんだん……。
坂田さん：1クール（のアニメを）全部見ていた時期もありましたね。
伊東さん：ありました。BLも詳しくなりました。
坂田さん：すごい。
伊東さん：BLも色々ありますからね。
――この作品も独特なセリフがたくさん出てきます。
坂田さん：面白かったですね。僕は大好きです。
伊東さん：基本コスチュームプレイということで。
坂田さん：「ち〇ぽ警察だ」が好きすぎて（笑）
伊東さん：そこなんだ（笑）。僕は呪文のところですかね。
坂田さん：サタニック～ですね。
伊東さん：（おわる先生に）これ描いた時、どういう気持ちで描いたんですか？　居酒屋で描いてました？
――おわる先生：IQ2くらいにして描いてました。
坂田さん：素敵。
伊東さん：最高ですね。
坂田さん：最高です。
伊東さん：死ぬまで笑えますからね、あのネタを。イラ〇チオって言いながら、すばるくんは自分で突っ込んで行ったんですけど……。
坂田さん：確かに（笑）。テクニックが素晴らしいですね。
伊東さん：そういうのも、コスプレだと説明がつくからいいですよね。そこが魅力です。

坂田さん：110番ですかね。扉の前に怪しい人がいますって警察に。
伊東さん：ドア開けて「淫魔でぇす」がいたら、一旦閉めますかね。ドアを閉めた状態で事情を聞く。

伊東さん：原作の先生と少しお話できたんですけど、無類の淫魔好きということで。
坂田さん：すごい。
伊東さん：一つの大きなジャンルとしても確立していますから。でも意外と漫画とかBLCDでやる機会はそんなになかったジャンルでした。と言いつつ、僕の初BL作品は淫魔ものだった。
坂田さん：（笑）
伊東さん：『淫魔くんデリバリー』とはだいぶ毛色が違いましたけどね。今回はポップなというか、最初にタイトルだけ聞いてファンタジーなのかなと思ったんですけど、現実世界に沿った内容で、淫魔ってそういうことねと納得したところもあり。一緒に同人誌即売会に行くくだりとか、馴染みがある人も多いシーンも描かれているので、彼らに感情移入して読んだり聞いたりしやすい作品なんじゃないかと思います。ぜひ軽い気持ちで何回も聴いて欲しいです。