Interview

インタビュー

ギニーピッグは檻の外の夢を見ない

冬美凪冴役 大塚剛央さん 日野崎隼仁役 阿座上洋平さん
左から:日野崎隼仁役 阿座上洋平さん、冬美凪冴役 大塚剛央さん
――収録のご感想
大塚さん:作品を読んだ時から思っていましたが、とても余韻の残る終わり方でした。最後の方にある「大丈夫」というセリフとか、どういう風に落とせばいいのか考えながら演じていたので、そこがいい余韻になっていると感じていただけたら嬉しいなと思いました。
阿座上さん:原作を読んでいた時、最初はちょっとした違和感があったのに、BL作品は結構設定がしっかり決められていたり、そこから始まる人間模様、心理描写もあって「今回はそういう設定なのね」と受け入れた後はその世界観で生きているから、違和感も忘れていました。でも下巻に入ったら、最初の違和感がちゃんと効いてきて、そこがすごく面白かったです。収録では違和感を覚えた読み始めの自分に戻って、やっぱりおかしかったんだという部分を凪冴とふたりで乗り越えていくのが、ちょっと映画みたいでワクワクしました。
――演じる上で気をつけたポイントは?
大塚さん:凪冴は男体研究に対しての想いもあるせいで、人との距離感が心を許した人とそうでない人とではかなり差があるので、そこは気をつけて演じようと思いました。隼仁に対しても最初は結構ツンツンしていますけど、凪冴の中には昔の記憶もちゃんと残っているから、それを裏切られた気持ちもありつつ、でもやっぱり忘れられないの隼仁くんへの想いもあるのかなぁと想像しながら、それぞれの場面ごと、誰を相手にしたセリフのなのかを意識していました。
阿座上さん:隼仁はいわゆる「救い出すためのスパイ」とか「エージェント」的な感じで自分の中のミッションがちゃんとあった上で、凪冴への好きという気持ちがどんどん溢れていくから、そこのバランスは気をつけていました。人間味を出し過ぎてもダメだし、出さな過ぎてもダメなので、徐々に徐々に、グラデーションがつくようにというのがポイントですね。
――気に入っているシーンやセリフは?
大塚さん:シーンというか流れですが、凪冴が隼仁くんを「好きかも」ってなってからの積極性がすごい(笑)
阿座上さん:そうですね(笑)
大塚さん:だからさっき言ったことに戻ってくるのかもしれないですね。隼仁くんだけは他の人とは違う特別な存在というのもあると思うので。隼仁くんの真心があってこその凪冴の変化かもしれませんが。今まで結構ヤダヤダしてたのに、隼仁くんに対してはこんな積極的なんだ、みたいな(笑)
阿座上さん:(笑)
大塚さん:そこが印象的でした。
阿座上さん:僕はあの黒い袋に○○※1が入っているところが……。
大塚さん:ほんとに。
阿座上さん:しかもそれが○○※1だというのが衝撃でした。あそこで一気に世界観が変わったというか、信じていたものが反転したじゃないですか。CDを聴いている方、コミックスを読んでいる方も重要なポイントだと感じてるんじゃないかなと思ったので、雰囲気もガラッと変えて演じてみたという意味も込めて、お気に入りのシーンです。

※1 ○○はネタバレの為、発売日以降に追加予定
――発売を待っている方へのメッセージ
大塚さん:研究所が舞台ということで、独特な空気感、基本的に冷たい空気が流れていたり、無機質な雰囲気もあって、さっき阿座上さんも言っていたように、映画みたいな没入感がある作品でした。ひとつひとつ大事に作っていったつもりなので、原作と一緒に音声でも楽しんでいただけたら嬉しいなと思います。
阿座上さん:ふたりの距離が近づいて、でもその近づき方も全然素直じゃない、お互いに何かを抱えたまま、それでも近づいていくという微妙な距離感を大事にしました。原作を読まずにCDから入った方には、途中で驚くような展開が待っているので、そこまではその距離感を楽しんでいただけたらなと思います。で、後半はまたちょっと変わって、手に汗握る臨場感ある雰囲気に仕上がっているんじゃないかなと思うので、前半、後半の違いも楽しんでください。原作の絵が本当にキレイで、そこも作品にのめり込める要素なので、ぜひ一緒に楽しんでいただけたら嬉しいなと思っています。
  • ギニーピッグは檻の外の夢を見ない
  • 2025.08.26 release
  • CRWS-0110 / ¥5,400+tax
    • 理原
    • 大塚剛央 阿座上洋平