Fraise collection
CONTENTS
TRACK.1
｢〝お兄ちゃん〟と一緒｣
あ、おい! その……ちゃんと言えてなかったけどよ､久々にお前と会えて､その…俺も嬉しいって思ってるぞ。
こんなに近くにいるの､ちっせえ頃以来だけど､俺はなにひとつ変わっちゃいねえ。
あの頃と同じで…いや､あの頃よりもちゃんとお前を守ってやれる。
だからなんかあったら俺を頼れ。
わかったな?
《ｻﾝﾌﾟﾙﾃｷｽﾄ2》
TRACK.4
｢この役を持てるのは一人だけ｣
ん? どうした､なんか言いたそうな顔してんな。
俺が彼氏役じゃ不満か?
……役ってところが不満? お前は俺が彼氏役じゃなくて､彼氏でいいわけ?
そんな困った顔すんな。
ずるい聞き方してるのは､充分わかってんだ。
でも､こうでもしないと不安なんだよ。
俺は物心つく前からお前の近にいて､ずっと兄貴みたいなﾎﾟｼﾞｼｮﾝだっただろ。
ある日突然出会って､恋愛してっていう流れの方が､よっぽどやりやすい。
お前にとって一番身近にいる男だからこそ､俺はお前のことをよその男どもより理解してしてる。
だけど近すぎて､お前の目には映らないんだろうって思ってた。
……なあ､俺もひとりの男として､お前に好きだと伝えてもいいか?
《ｻﾝﾌﾟﾙﾃｷｽﾄ3》
TRACK.6
｢貴方と二人､いつもの体温｣
……で､ちっとは気がすみましたか､ウチのお姫さんは?
ふくれっ面して……。
お前､色気に関しては要努力だけど､そういうとこすげえ可愛いと思うぜ。
思ってることわかりやすいし､俺としてはありがたい。
ていうか､色気はつけなくていいからな。
俺だけが知ってりゃいいんだよ。
誰にも見せねえー……。
あ? 酔ってねーし。
いいから､もっとこっち来いって。
ほら､こっち。
あー……お前､細いけどやわらけーなあ……。
ん? シャンプー変えたか。
これ､好きだ。
お前に合ってる。
～いつもの体温～
泉和也
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