『魔法☆中年 おじまじょ5~おじまじょ5、秘密の特訓(前編)~』
 収録インタビュー

その1
善川聡史・イノベーション社長役 中田譲治さん
片田尚輔・グローバル営業部長役 中井和哉さん
井上 遼・ベンチャー井上役 松本保典さん
エリザベス役 石田 彰さん
善川あやか役 こおろぎさとみさん


後列左から 中島ヨシキさん、石田 彰さん、松本保典さん、中井和哉さん
前列左から 古川登志夫さん、中田譲治さん、こおろぎさとみさん

その2
飯田俊太郎・サンシャイン窓際役 関 俊彦さん
副島亮太・カタルシス中途採用役 浪川大輔さん


左から 関 俊彦さん、浪川大輔さん


――収録のご感想をお願いします

中田さん:CDのフリートークでも言ったんですが、最初に企画をいただいた時はどんなものになるか想像もつかなかったものが、脚本を読ませていただいて、キャスティングを聞いて、この場に来て皆さんと一緒にやった時には、これは面白くなるし、きっと喜んでもらえるんじゃないかと確信して、個人的には2巻は出るだろうと思っていました。聴いた方が楽しんで下さったお陰で、2巻が出せることになって、とても嬉しいです。

中井さん:前回は抜き(録り)だったので、皆さんとご一緒できたのがとても嬉しいです。安心して下っ端でいられる現場で、ふんわりといい雰囲気で進めさせていただいて、幸せな時間でした。

松本さん:前回もちょっとびっくりする企画だとは思ったんですが、今回改めて話を追いかけてみると、思いの外しっかりしてるんだな、というのがありまして。いわゆるゲテモノ的な感じにするんじゃなくて、ちゃんとおじさんというものをよく考えた上で話が進んでいるかなと思えるので、その辺がやっていて楽しかったですね。

石田さん:皆さんと一緒にやらせていただいて気づいたことが1つ。1枚目の時は何の疑問もなく、おじさんが出てきて魔法少女になるんだから『魔法☆中年』というタイトルなんだなと思っていたんですけど、よくよく考えてみたら善川社長はお孫さんがいるから中年でもないよな、もうおじいちゃんだよ、『魔法☆老人』じゃないのか? と気づいてしましました。
一同:(笑)
石田さん:きっと社員の人が平均年齢を下げて、全体として中年の域に留めているということなんだろうなと、そんな本筋とは関係ないところを考えられるくらい余裕がありました。

こおろぎさん:大事なことはみんなおじさま方が言ってくれました。私達の世代がいっぱいイベントに出ていた時のファンの皆さんは、今おじさん、おばさんの年齢に差し掛かっている人もいると思うので、そういう人達にもぜひ聴いてもらえればと思います。私達もまだ頑張っているんだぞ、というのを、一緒に楽しんでもらえれば嬉しいです。とても楽しいお仕事で、前回の収録は冬で、今回は秋、まだ春と夏は録ってないから、これからも続いていって、色んな季節で録れればいいなと思います。ありがとうございました。

――おじさんの魅力、長所だと思うところは?

中田さん:若い時はどうしても好みが偏って、自己中心的で他人を受け入れる余裕がなくて、物事に突っかかったり、自分が正義で自分を中心に回っているみたいなところがありますよね。僕もそうでした。でもそれは良くも悪くも大事なことだと。でも、歳を取れば清も濁も認めて飲み込んで、その上で自由にできるようになれるから、僕の実感としては歳を取るのも楽しいですね。皆さんも30代、40代になってもまだ欲望に苦しんだり戦ったりしなきゃいけないんだけれども、その上でそれを解脱して自由になれる時があるというのが、大人の楽しみなんじゃないでしょうかね。

中井さん:僕は年齢的には充分おじさんなんですけど、おじさんの良さを実感するまでには至ってないんですよね。おじさん初心者というか。
松本さん:(笑)
こおろぎさん:おじさん初心者(笑)
中井さん:おじさんは肉体的なデメリットばかり目立って、あんまりいいことないなと思っているんですけど、僕より年上の方々のいいなと思うところを考えると、慈愛の心みたいな、損得勘定なしで下の者を可愛がって下さるところがあるんだなと感じることが多々あります。僕も本格的におじさまになって行くに従って、そういうものを身につけられたらいいなと思っています。

松本さん:おじさんおじさんと言っていても、自分ではいつからおじさんになったのかという線引きが明確じゃないんですよね。ある時突然小さい子から「おじさん」と言われて、その時に初めておじさんに見えるようになったのかな、とか。時々どこかのお母さんに「おそこのおじちゃん見てるわよ」って言われたり。見てないんですけどね(笑)
一同:(笑)
松本さん:そんなところから始まって、気がつけば自分の周りに年下が増えて、その辺りで自覚したような気がします。じゃあ何か変わったのかというと、そうでもなくて、だからよく言われるメリットデメリットという考え方も、あんまりしたことがないですね。歳を取った分経験を積んだり、多少なりとも何かのスキルが上がっていたり、ノウハウを持つに至ったりしているのであれば、おじさんと呼ばれる人達が前向きになったら、きっととてもすごいことができるんじゃないかな、という気がしています。

石田さん:正直自分もおじさんではありますが、おじさんに魅力があるのかどうかはいまいちわからないですね。ちょっと変な見方ですけど、この作品のように女装してパフォーマンスなりバカをするのに、高校生、大学生くらいだと「バカやってんな」と仲間から笑われて、「えへへ、バカだろ」と返して、お互いにそれが笑いになるのが若さだとすると、会社の忘年会とかでわりと偉いポジションまで登りつめた年代のおじさん達が、「今年の余興はAKBやっちゃおうか!」とあんな衣装で若い社員の目の前に出たりすると、大学生同士のように、「バカだな、お前」とはならないんですよ。「あ……ははは……」とちょっと乾いた笑いで拍手が起きる。素直に突っ込んでももらえないし、「なんだよ、あれ」と直接言われもしない。内心「酷いな」と思っている人がいても、その場で言わさないだけの社会的なポジションを持っている強み、それがおじさんの魅力……魅力?
一同:(笑)
石田さん:おじさんのパワーなんじゃないかな。
松本さん:その偉いポジションがない場合は悲惨だね(笑)
石田さん:そうですね(笑)。イケてるおじさんでいるためには、そういうポジションに登りつめなければダメだということですよ。
一同:(笑)
中井さん:結論が……(笑)
松本さん:厳しい(笑)
石田さん:おじさん的な年齢になってもそのポジションにいられないのは、ちょっと残念なんだと思います。

こおろぎさん:一緒にいて安心できるのが、おじさんの大好きなところです。そしてどのおじさんも経験が豊富だと思うので、人生相談ができるとか、話を聞いてもらいたいと思うのはいつもおじさんです。そしてお腹が出ていて可愛い。

――リスナーさんへのメッセージをお願いします

中田さん:これまでも色んな作品があったし、これからもあると思うんですが、昔と違って聴いてくれる方の年代にも幅が出てきているので、『おじまじょ5』のような作品が増えても面白いし、チャレンジしがいのある分野だと思います。10代、20代対象のドラマだけでなく、こういうものも定着できるように、僕らもその一助になったらいいなと思っています。

中井さん:聴いて下さってる皆さん、本当にいつもありがとうございます。どんな方が聴いて下さっているのか、想像しきれずにいます。でも皆さんのお陰でこうして第2弾ができ、僕の演じさせてもらっているキャラクターに関しても家庭のことであるとかが徐々にわかってきました。もう少しこいつと付き合ってみたいという気持ちでいますので、ぜひ今後も応援していただければと思います。

松本さん:僕もどういった人達が聴いているのかというのが今一つ把握しづらい作品かなと。別にどんな方でも聴いてもらって、楽しんでもらえればいいのなかと思っています。第1弾も比較的好評だったようで、とてもありがたいです。今回改めて、この作品の面白さは、ギャグ的なフレーズを言って面白いとかではなく、それぞれの立場の違いとか、その中で繰り広げられる会話そのものが面白いんだなと感じました。そういうところは更に幅広い方に広めても安心して聴いてもらえる作品だと思います。ぜひ可愛がってやって下さい。よろしくお願いします。

石田さん:最初は、これはタイトルありきでスタートした作品なんだなと思っていたんですけど、「おじまじょ5」がお話としてどれだけ弾けられるかというのを作り手側が色々と考えたお陰で、皆さんのご好評を得ることができたんだと思います。聴いている皆さんの中には、怖いもの見たさみたいなところもあるのでしょう。それも含めて「おじまじょ5」が季節ごとにやってくる怪談話のように定着したらいいんじゃないでしょうか。『呪○』、『呪○2』のように『おじまじょ5』『おじまじょ6』と(笑)。皆さんもおじさんの魅力にどんどん嵌ってもらって、そしておじさんの魅力を宣伝して、嵌る人を増やしていただけたらと思います。よろしくお願いします。

こおろぎさん:他にはない世界観で、ちょっと新鮮だなと今更思っています。おじまじょ、おじまじょとおじさんにスポットが当たっていますけれど、そういえばおばさんはどこへ行ったかな? と思うので、今後そういう展開もあったら嬉しいなと思うのですが、私だけでしょうか?
松本さん:残念ながら、それはただの魔女だからね。
中田さん:(笑)
こおろぎさん:これを期に、世界中で生きているおじさんとおばさんを、皆さんよろしくお願いします。


――収録のご感想をお願いします

関さん:さっき(CD巻末フリートーク)も言ったように、中田さんの声がもう社長にしか聞こえなくて、僕の人生は社長のあの渋い甘い声で埋まりそうな気がします。

浪川さん:前回よりも「おじまじょ5」メンバーの結束が強まったような印象を受けました。今回は新キャラとして、素晴らしいおじさまがいらっしゃって、僕は「おじさま」を褒め言葉として捉えていきたいです。僕なんてまだまだペーペーな方で。
関さん:副島君は何歳くらいの設定なの?
浪川さん:33歳です。
関さん:全然若いねえ。
浪川さん:おじさま達と一緒の収録はとても楽しいです。なかなかできない経験で、濃くて。すごく濃厚な豚骨を食べさせていただいた感じです。
関さん:(笑)

――おじさんの魅力、長所だと思うところは?

関さん:一般的には懐の深さとか包容力とかになると思います。物事を杓子定規で測らず、緩さという遊び心を持って生きることはとても大切で重要なんだよということを知っている存在。実を言えば、もう体が動かないから緩くしか生きられなくてそうなっているだけなんだけど、周囲からは「素晴らしい人生経験ですね」とフォローされてほっとしている、それがおじさまかな。
浪川さん:深い(感心)。素晴らしいですね。そうなりたいです。

浪川さん:前に同じような質問を受けた時、たぶん諦めが早くなると言ったと思います。
関さん:(笑)
浪川さん:僕も年齢を重ねてきてちょっと学んだのは、おじさまが素晴らしいのは無理をしない、というところです。若い時はだいたい意味のない無理をしちゃうんです。でもおじさまの無理は理に適っている。ちょっと頑張るだけで、すごく頑張っているように見える。おじさまのそこがすごい。
関さん:若い頃は遠回りをすることが必要だってよく言われるけど、おじさまは遠回りしてる時間がないからね。
浪川さん:ないんです。
関さん:なるべく近道を行くようにしないと、命の灯が消えちゃうので、なるべく早い道を(笑)
浪川さん:関さんがその境地に行くには、まだ相当早いと思うんですけど(笑)。無理をしていてもかっこいいし、しなければ落ち着いて見えますし、そういったところは魅力的ですよね。若い時は無理をしないと「なんだお前」と見られてしまうのに、おじさまにはそれがないのが、敵わないし、おじさま流石だなと思います。

――リスナーさんへのメッセージをお願いします

関さん:小さい頃、母から「絶対世の中に出て、嘘をつくような人になったらいけませんよ」と言わていて、前回の第1弾で嘘の予告編をみんなで作って、その嘘が真になったというこの感動。今回も嘘の予告がCD巻末についていると思うので、またこの嘘を真にして行ったら、フリートークで浪川君が劇場版なんて大嘘を言っていのも、もしかしたら本当になっちゃうかもしれない、そんな不思議なパワーが「おじまじょ5」には隠れているんじゃないかという気が致します。

浪川さん:関さんのお話を聞いて、関さんのお母様から教えていただいた「嘘をついちゃいけない」というのを、僕も後輩として守っていかなきゃいけないと思いますので、ぜひぜひ聴いてくれた皆さんに力を貸していただいて。
関さん:嘘が嘘とならないように。
浪川さん:嘘が真になるように。関さんを嘘つきにさせないで下さい(笑)
関さん:させないで下さい(笑)
浪川さん:僕も先輩にそんな辛い思いをさせたくないですし。
関さん:ありがとう。もし嘘が真になったら、私はまた母の墓前に花を捧げに行きます(笑)
浪川さん:(笑)
関さん:「お袋、また嘘が真になったよ」と(笑)
浪川さん:びっくりしたのが、ネットのニュースランキングで、この作品が発表された時に2位くらいに輝いたんですよね。
関さん:本当に? なんで(笑)
浪川さん:潜在的に好きな方がいっぱいいたんじゃないでしょうか。
関さん:やっぱりキャラクターの絵がすごいインパクトだったのかな。
浪川さん:若干気持ち悪いところもあるかもしれませんが、あれを動かしたいと思っていますので、皆さんお力を貸して下さい。これからもどうぞよろしくお願いします。
関さん:お願いします。