――収録のご感想、演じたキャラクターのご感想をお願いします
櫻井さん:バイノーラルを活用したホラーなドラマCDでした。刃物の音とか虫の羽音とか、人間が生理的にちょっと恐怖を覚えるような演出を散りばめながら、とても恐い世界へと連れて行かれる、そんなお話でした。
鈴村さん:以下同文です(笑)
櫻井さん:(笑)
鈴村さん:全部取られてしまった。虫の羽音のところだけもらっていいかな(笑)
櫻井さん:どうぞ(笑)
鈴村さん:(発売時期は)まだ暑い頃だから、ちょっと涼しみたい方へ。音というのは脳に直撃しやすい感覚の1つです。視覚は一番頼っている部分なので、感覚としてはどんどん鈍くなっていきます。匂いや音を感じる器官は、非常に鋭いまま、原始的なまま残っていることでお馴染みですね。そんな耳を刺激するCD『BEYOND』。ぜひ聴いて下さい。虫の羽音とかが聞こえます。
――怖い話は好きですか?
櫻井さん:好きか嫌いかで言うなら嫌いです。恐いんですが、恐いからこそ気になって聞いてしまう、見てしまう。
鈴村さん:そういうとこあるね、人って。
櫻井さん:見た結果後悔するんですが、抗えないホラーの魔力が僕に纏わりついて早幾年。これからもホラーの良さ、恐い話の面白さをちょっとずつ啄んでいきたいと思います。
鈴村さん:恐い話は驚くほど興味がないことの1つですね。みんなで集まって恐い話しようぜとか、夏の怪談シリーズとか、まったく興味がないんです。霊感とか、ちょっと恐い体験をしたとかがなくて、あれを少しでも味わいたいという気持ちはあったので、心霊スポットを見に行ったんですよ。夜になるとお化けが出ると言われている青山トンネルに。上の方から何か出るらしいから、上を見ながら歩いていたのに、結局お化けは出なくて、何が起こったかと言うと、ウ○コを踏みました。当時は貧乏で靴を買い直せなかったから、洗ったんですけど、暫くはすごく臭かったです。今思うとびっくりするくらいでかい、牛ぐらいのウ○コだったので、あれが霊現象だったのかなと。青山トンネルには普通そんなのないですから。僕の霊体験はそれくらいなので、恐い話には興味がないんです。誰か興味が持てるように教えて下さい。お願いします。
――オススメのホラー作品、記憶に残っているホラー作品は?
鈴村さん:当然ないです(笑)
櫻井さん:(笑)
鈴村さん:ホラーは全然見ない。『バタリアン』はホラー?
櫻井さん:一応ホラーかな。
鈴村さん:子供の頃に見た『バタリアン』は恐かった。恐いと思わないわけじゃないんですよ、僕も。『バタリアン』はちょっと変なリアリティがあったんですよ。僕は元々リアリティのあるものに恐さを覚えるタイプで、本当にいそうというのが恐いんです。『バタリアン』は荒唐無稽なようでいて、ああでも実際にいそうだなと子供ながらに感じました。まあ大人になって見たら本当に荒唐無稽すぎて、実際にはないのがよくわかる作品なんですけど(笑)。ホラーにしてはちょっとコメディな感じで。
櫻井さん:ベースはゾンビで、人の脳ミソを食べたいとか、不死とか。そこに宇宙要素が加わった。あと、「オバンバ」がキャラクター化されたり、「オバンバ」と『バタリアン』で「オバタリアン」という言葉が生まれたり。
鈴村さん:社会現象になったもんね。
櫻井さん:ちょっとコメディっぽいブラックだよね。
鈴村さん:そのブラックさが当時は恐かった覚えがあります。
櫻井さん:やっぱり日本の作品が恐いんじゃないでしょうか。
鈴村さん:うちのお母ちゃんも「本当に恐いのはね、日本のやつよ」って言ってた。
櫻井さん:今は一概には言えないんですけど、欧米といえば『スクリーム』とか『ラストサマー』とか、急に何かが出てきてびっくりさせる、お化け屋敷的な作品が多かったんです。その後のものも、ちょっと派手な血の描写があって、人が死んでいくような作り方、見せ方をしている映画が多くて。日本のものはもっと情念に訴えかける、想像で恐怖させたり、髪を洗っている時に後ろに誰かいたら嫌だなとか、鏡の向こうに誰かが映っていたら嫌だなとか、深層心理に訴えかける恐さなので、日本人には和風のホラーがいいんじゃないかと思います。わかりやすいところだと『呪怨』とかですね。俺が好きなのは『女優霊』です。
鈴村さん:ああ、聞いたことある。
櫻井さん:『リング』を作った人達の作品で、『リング』の作り方のベースにもなっていて、結構恐いです。
――リスナーさんへのメッセージ
櫻井さん:「ひゅ~どろどろ~」「きゃ~」「なんでお前が」「そんなバカな。お前は……」という感じの作品です。
鈴村さん:そうだね(笑)
櫻井さん:あなたのすぐ傍で大変なことが起こるので、ドキドキしながら聴いて下さい。
鈴村さん:部屋を真っ暗にして、ヘッドフォンで聴かないとだいぶ損します。夜中の2時辺りに聴くと怖さが倍増しますね。ぜひ聴いて下さい。