寺野くんと熊崎くん
熊崎柊弥役 谷山紀章さん
寺野匠海役 小林千晃さん
左から:熊崎柊弥役 谷山紀章さん、寺野匠海役 小林千晃さん
――収録のご感想をお願いします
谷山さん:BL自体久しぶりですし、受け攻めの受けだとちょっと思い出せないくらい前で……。だから小林くんに「ファンの方が言ってましたけど、12~13年ぶりらしいですよ」って言われて「そんなにっ!?」って(笑)
小林さん:13年ぶりとか。
谷山さん:干支が一周しちゃってるんだって。13年だと前に収録した時は丑年だったんだ。
小林さん:前々回の丑年……。
――お久しぶりの出演ですね。
谷山さん:(今回の出演は)お話をいただいたから全然いいですよって感じでした。みんな「もうアイツはやらないだろ」って気を使って、オファーされなかったんじゃないですかね。いや、全然やりますけど。
小林さん:(笑)。僕は受けの方が圧倒的に多いので、こういうがっつりした攻めは新鮮でした。すごく楽しかったです。
――演じてみていかがでしたか?
谷山さん:鈍ってた(笑)
小林さん:(笑)
谷山さん:鈍ってたな~。キャラがあるのであんまり自由にやりすぎても、っていうのも頭にあったかもしれないですね。でもBLなりの方法論みたいなものを思い出した気がします。「ああ、これこれ」「これがBL」という感じがして懐かしかったし、それくらい久しぶりだったんだと実感しながらセリフを喋っていました。(以前も)僕はそんなに出ている方ではなかったと思うんですけどね。森川さんは自他共に認める帝王で有名でしたし、僕と同世代でも出てる人はすごく出てましたね。2000年代初頭くらい? すごくBLCDが出てる時代があって、BLでスケジュールが埋まってる人もいたもん(笑)。「明日も(BL)っすよ~」みたいなの(笑)
小林さん:すごい(笑)。今よりもBLCDが多かったりしたんですか?
――月に2枚以上出すメーカーが複数ありました。
谷山さん:当時を懐かしく思い出しました。BLは不滅ですって言いたいですね。だって絶対好きな人がいるもんね。『お〇さんずラブ』もよくやったなって。
小林さん:相当ヒットしましたよね。
谷山さん:すごいよね。だから潜在的にそういうのを求めている視聴者がいるんだよ。いわゆるBLという括りではなくても、例えばあの俳優さんとあの俳優さんがとか。女子は根本的に男の人同士にキュンってくるのかもしれないですね。
――演じたキャラクターの感想をお願いします
谷山さん:不器用で口下手でって自分でも言ってましたけど、熊ちゃんは自分に正直で不器用な人なんだと思っていて、あまりヤンキーという側面を誇張せずに、外に対して飾ったりしない、できない不器用さや、朴訥とした部分も込めたいなと思っていました。そこが基本軸で、セリフも本当は思い切りやる方が好きなんだけど、ともすると根暗なトーンに聞こえるかもしれないくらいが彼の素なので、そこはちょっと意識して演じてみました。
小林さん:寺野は逆に器用な子で、錦とか友達と喋っている時と熊崎くんと喋っている時では全然トーンが違っていて、でもどちらも彼の素なのでそこの差をあまりわざとらしくはしたくなくて、熊崎くんだから思わず可愛いがいっぱい溢れ出てしまう感じになればいいなくらいで演じていました。人間はどんな人でも多面性があると思うので、僕としてはやりやすくて面白いキャラだったなと思います。
左から:錦役 竹内栄治さん、森役 重松千晴さん
――もしも高校生に戻れるとしたら、何がしたいですか?
谷山さん:戻りたい! マジで夢想するもん。小4くらいからやり直してみたい。
小林さん:今の頭脳のままとか、頭脳も戻ったらとかありますね。
谷山さん:そう! 今のままだと、小学生の時の何を見てもときめいたり、夏休みの一日が長かったりする感覚がなくなってつまらなそうだなとか、でも今の経験値は持ち込みたいとか。
小林さん:(笑)
谷山さん:質問の「高校生になったら」なら、僕は遊びまくりますよ。
小林さん:(笑)
谷山さん:大学も行ってみたいな。でも勉強嫌いなんだよな……。日本史とか世界史とか好きな教科だけは、今になってもっと勉強しておけば良かったなーって。あとはバンドやりたい。またがっつりバンドやって、学祭とかでキャーキャー言われたいですね。脚光を浴びたい。
小林さん:(笑)
谷山さん:高校に戻れたら何したい? でも卒業したのついこないだでしょ。
小林さん:それでも10年くらいは経ってます。
谷山さん:部活やってた?
小林さん:部活はやっていなくて、高校生の頃は映画俳優になりたかったのでバイトしてお金を貯めて、俳優の養成所とかに行ったりしていました。だから制服デートしたことないです。
谷山さん:じゃあしたい?
小林さん:したいです(笑)
谷山さん:僕もそうは見られないけど奥手なんですよ。女性に対して苦手意識みたいなものがあって、学生時代は男女交際の経験が実はそんなになくて。でも今のマインドを持ち込んで高校に戻れるならめちゃくちゃ付き合いたいですね(笑)
小林さん:(大爆笑)。転生して強くなるやつのモテモテ版(笑)
谷山さん:人生2週目か3週目みたいな感じ。いずれにしてもみんな、学生時代に心残りとか後悔みたいなものを残すんだよね。だからこういうテーマは絶対盛り上がる。
小林さん:そうですね。
谷山さん:「今の経験値引き継ぐ?」「いや引き継がない」とか。経験値引き継いだら、それを使ってもっぺん高校生活を謳歌するだろうね。バンドやるかな。部活はやらないかな。僕は陸上部でそこそこ活躍してたんだけど、結局辞めちゃって全うしなかったからね。推薦で大学っていうのも辞めちゃったからなかったし、もったいない過ごし方してたんだよ。だからもう最初から部活はやらない……ああ、でも部活もやりたいかな。人生3週くらいしたいね(笑)
小林さん:(笑)
谷山さん:部活だけに打ち込む世界線と、バンドでキャッキャ言われているような世界線と、あと文化部も行きたいな。斜に構えてたから合唱部とか演劇部を「だっせぇな、なに本気で頑張ってんの」とか言ってたけど、実は眩しく見てたのよ。本当は仲間に入れて欲しかった。
小林さん:それを3週目では素直に。
谷山さん:言いますよ。「あめんぼあかいな」とか一緒にやりたい。
小林さん:周りからは急に変わったなって思われますね。
谷山さん:です。
小林さん:僕も高校は部活をやっていなかったので部活もやりたいし、制服デートもしたいですね。中学は陸上部でした。
谷山さん:やってたんだ!
小林さん:高校も陸上部に入ろうと思ってたんですけど、お芝居の方に興味が出ちゃったから続けませんでした。でも陸上部の練習を見ていいなとか思っていたので、そっちの世界線もやってみたいですね。中学も高校も陸上に打ち込むとか。
谷山さん:いいね。
――発売を待っている方へのメッセージ
小林さん:原作ファンの方はもちろん、原作を読んだことのない方もPOPで笑えて共感できる部分がたくさんある作品です。青春をやり直したいなという方は、この作品を通して疑似体験していただけたら嬉しいなと思います。(寺野と熊崎の)二人はタイプは違うけれど二人ともすごく可愛いし、見た目とは相反した内面のギャップも面白いので、その辺もぜひ注目して楽しんで下さい。
谷山さん:原作のあるものですので原作に忠実にできていたらいいな、絵を見ながら音声を聴いていただいて「あ、これこれ!」と思って下さるファンの方が一人でも多くいてくれたら嬉しいなと思います。お楽しみ下さい。現場からは以上です(笑)