「ふたりあそび」キャストインタビュー

――収録のご感想

小林さん：（あがた）先生のフェチズムが詰まっている作品だと最初にお聞きしていたので、そこを表現できたらいいなと思いつつ収録に臨みました。変声期とか色んな事情も出てくる中1から高1の多感な時期であることもフェチズムだと思うので、その要望に応えられるように、声の変化とか物理的な変化も意識しながらやらせていただきました。収録は色んなディレクションに応える楽しみもあると思いますけど、この作品もやりがいがあってすごく楽しかったです。

増田さん：今まで僕が学んできたお芝居の構成とは違う部分を求められた収録だったので、そういう演出をされた意図がどんな効果で作品に影響するのか、音がついてみないとわからない部分もあって、完成がどうなるのかとても興味のある収録になりました。

――夏稀から見た廉、廉から見た夏稀はどんな存在ですか？

小林さん：なっちゃんは友達が少ないから、廉はそんな自分の面倒を見てくれる優しい幼馴染みだと思ってたんですけど、成長するにつれて、それって無理してやってくれてるんじゃないかな？ちょっといい人すぎるのかな？みたいに思い始めているのを感じました。距離が近いが故に、すごく傍にいて欲しいんだけど、彼ほどすごい存在が自分になんかにかまけて欲しくもないという葛藤を生み出す存在ですかね。

増田さん：作中でも「頼ってよ」と言っていたり、庇護欲というところで。廉は同学年とか異性との関係も描かれていて、みんながみんな廉に対して何かを求めているんだけど、それは廉じゃなくてもいいよねというようなものしかなくて、そういった意味では、廉にとっての夏稀は自分にしか応えることができないことを求めてくれる存在なのかなと思いました。

――ひとりではなく、ふたりでしたいことは？

増田さん：僕は食事。したいことというか、して良かったなって改めて思うことというか。元々一人で食べる方が多かったんですけど、コロナ禍が長く続いていて「誰かと食べたいな」「なんか話したいな」と思っても理性で抑えていた部分があったので、少しずつ世間が明るくなってきて、食べに行けるなってタイミングになった時に気の許せる友人とご飯を食べたら、ご飯ってこんなに美味しかったっけなと思って。その時に人と食べることは大事なんだと再認識できました。だから今、ひとりじゃなくて誰かとするなら、食べることかなと思っています。
小林さん：確かに、それはすごく共感します。なかなか行けない時期からちょっとずつ行けるようになって、その時間がすごく楽しいから、普段食べていたものだとしてもより美味しく感じるんじゃないかと思います。僕がみんなとしたいのはゲーム。オンラインじゃなくてボードゲームとかの直接一緒に遊ぶものだと、一人でもできるものもあるんですけど、人と一緒にやることで生まれる面白さ、仲のいい人とやらないと出ない楽しさがあるなって思ったので、一人でやるよりもみんなと、オンラインプレイよりも実際に会ってしたいです。

――発売を待っている方へのメッセージ

小林さん：（あがた）先生のフェチズムが原作にふんだんに詰まっているので、ファンの方の中には、それを120％にとか、この世界をより広げることを期待してくれている人もいるのかなと思います。せっかく僕らが声を使った表現をさせていただいているので、そういった世界を広げる的なところで貢献できたらいいなと思いつつ収録に臨ませていただきました。ドラマCDになることで、より原作を好きになってくれたり、原作を読んでいるだけでは発見できなかった感情とかを発見できたりということが一つでもあったら嬉しいです。繰り返し何回も聴いていただいて、楽しんでいただければ幸いです。

増田さん：原作の1巻をほぼ丸ごと音声化していて、本当にボリュームのある1枚になっています。原作を読んでいる皆様にとって音声化というのは、最初に原作を読んで面白いなと感じて、そこから時が経って音声で聴いて、また原作を読んでと一つの作品を何度も楽しんでいただけるきっかけになる思います。元々原作を読んでいた方には音声化でもう一度帰ってきて欲しいですし、音声化をきっかけに原作を知った方はドラマCDから入っても、発売前に原作を読んで準備してからドラマCDを楽しんでいただいてもいいですし、『ふたりあそび』を色んな形で楽しんでいただけると嬉しく思います。