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『泥中の蓮』
キャストインタビュー

※ネタバレ注意※
インタビューの中には『泥中の蓮』の途中の展開やエンディングについてのコメントもあります。ご注意下さい。
 
インタビュー
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橘元春 役 増田さん
橘秋生 役 小林さん
 
--収録のご感想
 
増田さん
台本を読んでいて自分が演じるキャラに騙されるのは、なかなかないことでした。
「彼はなんでこんなことをするんだろうな?」というのが最後のエピローグに紐づけられていて、最後に「こういった意味があるから、今までこんな風にやってきたんだ」となるのは珍しい作品、役どころだったので、役者冥利に尽きるといいますか、面白い挑戦ができる役に出会えたと思いました。


小林さん
今までもいくつかBL作品には出させていただきましたが、どこか陽の部分がある作品が殆どで、負の方向に振り切っている作品は今回が初めてでした。
収録も空気が重いというか、正に泥の中にいるような感覚でできたので、役者としてはすごく面白かったですし、世界観に入り込むことができたと思いました。
実りのある収録だったなと感じております。
 
--演じたキャラクターのご感想
 
増田さん
すごい人だなって……。
数年離れるのも、彼にとっては目的があって賭けでもあって、見つからないようにしているけど、見つかることを求めている。
どこであの気持ちが芽生えたのか、両親を亡くす前なのか、失くした後なのか、先天的なものなのか後天的なものなのかはわからないですが、あれだけの執着心を持っているのが、すごいキャラクターだと思いました。


小林さん
途中からは剥がれちゃいましたが、外から見たらすごくいい弟でも中身は実は……というところが、僕に似ているかなって。
僕も決して内面がきれいな人間ではないので、でも秋生くんと似ていると言ったら語弊がありそうな……。

増田さん
大丈夫ですよ(笑)

小林さん
じゃあ、僕にそっくりなキャラクターだと思いました(笑)
本来は自分の裡に色々あっても言葉にはしないけれど、それを敢えて口に出せるのがドラマCDやアニメの面白いところで、僕もモヤモヤしたものを吐き出せずにいる人間だから、そういうのをそのまま出して表現できるキャラクターと巡り合えたことはとても楽しかったです。
よくもあそこまで黒くなれるものだなと思いましたね。
どこからあの感情が芽生えたのかは僕も気になるところで。
そういうところは共通しているね。
お互いどこからそういうのが始まったのか。

増田さん
ですね。

小林さん
色々想像してやっていくとどんどん深みに嵌っていくキャラクターで、作ろうと思えばどんな方向にでも病んでいけて、本当に作り甲斐があったなと思います。
 
--相手のキャラクターの印象
 
増田さん
酷いキャラですね。
女の子を邪険に扱って。

小林さん
そこな。

増田さん
物のように。
よくないですよ、ああいうの。

小林さん
すみません。
秋生によく言っておきます。

増田さん
本当にダメですよ。

小林さん
女の扱いに対してのとこだけか(笑)

増田さん
女の子の扱いが悪い男はダメです。
僕は元春くんとは似ていないので、例え相手が女の子でもあんなに簡単に体を預けられない。

小林さん
ほう。

増田さん
「好き」がないと無理じゃないですか?

小林さん
「僕(秋生)はよくわかりませんけど」。

増田さん
え?
「好き」がなくてもできるんですか?

小林さん
「僕はよくわかりませんけど」。
そういう人もいるんだよ。

増田さん
ああ!
びっくりした(笑)
人を愛さないとできない、ということがわからないのかと。
「僕はできちゃうんで」って。

小林さん
いやいや、違う違う(笑)

増田さん
秋生はそういうところが元春と似ているのはやめて欲しかった。
でも本当にねえ、良くないですよ。

小林さん
わかった、わかったよもう(笑)

増田さん
(小林さんが秋生に)似てるって言ったじゃないですか。
ダメですよ。

小林さん
そこが似てるとは言ってない(笑)


小林さん
元春のやっていることはあれですが、それも結局は秋生を思ってのことであって、秋生が間違った道に行こうとすれば正してくれるし、「あんなことしてるくせに、なんでそんな正当なこと言うんだよ」というギャップはあっても、やっぱり兄ちゃんなんだなというのを言葉の節々に感じます。
秋生の方がしっかり者に見えていても、やっぱりちゃんとお兄ちゃんなんだ、と感じるキャラクターでした。

増田さん
大人ですからね、元春は。
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