Interview

インタビュー

ラベルド・タイトロープ・ノット

瀬田榛臣役 増田俊樹さん 加々美夏生役 白井悠介さん
後列左から:猪塚役 遠藤大智さん、雁屋役 西山宏太朗さん、谷役 堀 総士郎さん、井上役 髙橋孝治さん
中列左から:ファミレス店員役 齋藤 綾さん、絵美役 相川奈都姫さん
前列左から:瀬田榛臣役 増田俊樹さん、加々美夏生役 白井悠介さん
――収録のご感想
増田さん:BL作品にも色々な種類がありますが、これだけ長い期間片想いの燻った気持ちを抱え続けて、時を経て再会しても尚、屈折していたり、すれ違ったりするストーリーに出会ったのは初めてでした。歳を重ねるほど守るものが増えていく、複雑な大人達の恋模様や人間関係を演じられて楽しかったです。
白井さん:増田くんとは結構BLで一緒になるんですけど(笑)
増田さん:そうですね。
白井さん:今回演じた役はお互いにあまりイメージのない役だったんじゃないかと思いました。少なくとも僕が演じた夏生はそうです。夏生くんは、自分の中で普段使わない声のトーンだとか気持ちの持って行き方とかを意識しながら演じたので、そういうところを皆さんがどんな風に感じ取っていただけるのか楽しみです。本当に楽しく収録させていただけました。
――演じたキャラクターと自分の似ているところは?
増田さん:自分の中に溜め込んじゃったり、考えすぎてしまうところは似ているんじゃないかと思いました。僕はわりと自分で解決しようと思ってしまうことが多かったりして、昔は先輩から「人になかなか頼ることができないよね」って叱られたりしたこともあったんですよ。
白井さん:へ~。
増田さん:今はだいぶ甘えることができるようになってきたんですけど、本当の意味で人を信頼できるまでに、他の人より時間がかかってしまう方だと思うので、そういったところはどこか榛臣と似ているのかなと思いました。
白井さん:なるほど。
増田さん:白井さんはどうですか?
白井さん:夏生くんは普段から冷静で物事を俯瞰的に捉えていそうな感じなんですけど、僕も実は意外とそうで。
増田さん:ん?
白井さん:(笑)。あのね、フリートークとかラジオとか顔出しの番組だとかっていう時は勿論はっちゃけてはいますけど、その実内面的には冷静な自分がいたりして。
増田さん:ん?
白井さん:「ん?」じゃないよ(笑)
増田さん:似てますよ、夏生に。
白井さん:本当に?
増田さん:自分が本当に興味があるもの以外にあんまり興味を示さないところとか。
白井さん:あー、確かにそうだね。
増田さん:うん。で、周りには上手く「白井さん興味あるのかな」みたいに思わせられるタイプよね。
白井さん:そう?
増田さん:夏生もぶっきらぼうなところはあると思うけど、上手く生きていけるタイプ。
白井さん:日常的には(ぶっきらぼうなところは)全然出さず、上手くやってるタイプですね。
増田さん:そういったところ、似てると思いますか?
白井さん:言われてみれば。でも僕は内心冷静なんですよ、ということだけは伝えたい。
増田さん:冷静かねえ……?
白井さん:冷静なんだよ。何かトラブルとかハプニングとかが起きても冷静でいるんですよ。
増田さん:それは冷静かもしれません。まあたぶんトラブルが何かがわかっていない……。
白井さん:おい! そんなことない!
増田さん:そんなに熱弁しても、この記事を読んだお客様はみんな思ってますよ。「白井さんが冷静だって!?」って。
白井さん:マジか。
――「収録のご感想」で白井さんがお互いにイメージのない役と言っていましたが、榛臣と増田さんの似ているところは?
白井さん:どこですかね?
増田さん:どうですか? 探せば色々あると思いますが。
白井さん:(悩み)榛臣……。でもそうか、どっちかって言ったらそうなのかな……。
増田さん:何? 頑張りなさいよ。冷静なんでしょう? 冷静に考えてみて。ほら、10秒以内に。
白井さん:(笑)
増田さん:もう心が乱されてますか?
白井さん:榛臣よりも僕は夏生の方が。
増田さん:どういうところがですか?
白井さん:だからさっき言ったじゃん。
増田さん:なんでしたっけ?
白井さん:冷静で。
増田さん:ああ、白井さんがね。今は僕の話をしているんですよ。
白井さん:まっすーの話? まっすーと榛臣が似ているところ?
増田さん:うん。そりゃあそうでしょう。あなたが夏生と似ているところはさっき聞きました(笑)
白井さん:(笑)
増田さん:さあ、何かありますか。
白井さん:さっきまっすーが言っていた、あまり人を頼れないとかはわかるなって思います。普段接することが多いだけに、人に何か言いたくなさそうだなというのは感じますね。
増田さん:自分でできることは自分でしなきゃって、ちょっと思い込んじゃうんだよね。
白井さん:でも最初に会った頃から比べたら全然。
増田さん:そうですね。
白井さん:色々自分のことを話すようになってくれたのが、すごく嬉しいなと思いますね。
増田さん:何年来かの共演が続いているので、失礼なところも見せましたし、お仕事のこととかもよく話してくれたりして、本当に信頼しています。情けない部分を見せるということは、僕にとって信頼の証だったりもして、そういう機会も増えましたね。
白井さん:プライベートで接することも多くなったっていうのもあるしね。
増田さん:そうですね。
「ラベルド・タイトロープ・ノット」収録写真2
左から:白井悠介さん、増田俊樹さん
――10年前に片想いをスタートさせた榛臣と夏生。お二人は10年前何をしていましたか?
白井さん:21歳で専門学校を卒業して、とある事務所の養成所に通っていました。で、そこを途中でやめた辺りかな。
増田さん:え? やめたんですか?
白井さん:やめたんです(笑)。声優をやりたい気持ちが薄れてしまった時期。
増田さん:その期間は何をされてたんですか?
白井さん:なんか顔出しも楽しそうだなと思って、自分でオーディション探して受けたりはしてたんですけど、それが仕事に繋がったりはなかったんで、燻っていた時期というか空白の期間ですね。
増田さん:僕もちょっと似たところがありますね。10年前は18の頃で、専門学校の1年生でした。声優になりたいという気持ちはあるんですけど、自分は何をしたいんだろう、じゃあ事務所はどこに、とかが……。
白井さん:漠然とし過ぎていた?
増田さん:そうですね。専門学校に入ってからいろんな経験をして、自分の中でも将来に少し迷いがありました。子供の頃に夢だったテレビの世界もそうだし、学校に入って知ることができた舞台の世界、そして専門学校に入るきっかけになった声優になりたいという思い。この3つをバラバラに考えなくてもいいんじゃないかなと思ったのも、この時期でしたね。
白井さん:へ~。
増田さん:今言った3つのことができるような役者になりたいと思って、「僕はこういう方向性で仕事や進路を決めていきたい」と学校の先生に相談したら、今の事務所に入るきっかけになったオーディションを紹介していただいて。思っただけで伝えていなかったら、今の僕はなかっただろうなと。
白井さん:なるほどね。この作品もそうだけど、やっぱり言葉にして伝えることは大事ですね。
――リスナーさんへのメッセージ
増田さん:言葉や感情を交わし、何年も何年もいろんな人達が悩み苦しんできたことを作中の彼らも同じように感じていて、フィクションではありますが、人間が持つ汚い部分や美しい部分がリアルに描かれているように感じました。榛臣と夏生の二人だけではなく、登場する人物がそれぞれに様々な思いを抱えていて、人間ってこうだよね、と見つめ直すことができる作品だと思います。 二人の恋模様、そして、こういう気持ちあるよね、という共感があるからこそ、ちょっと目を背けたくなってしまうような“人間らしさ”を描いた作品になっていますので、ぜひいろんな側面からお楽しみいただきたいです。
白井さん:今作は大人っぽいというか、いい意味で落ち着いた印象のある作品だと思いました。28歳の主人公達の、そういった落ち着いた雰囲気を音声で出せたらいいなと思っておりますし、原作と見比べながら聴いていただきたいです。フリートークでまっすーも言ってましたが、言葉にして気持ちを伝えるにもやっぱりタイミングがすごく大事なんだと思いましたね。10年間言えなかった想いも、ただ想った時に伝えればいいものでもないんだなというのがあって、難しいです。そういった繊細な部分も聴いていただきたいので、ぜひよろしくお願い致します。
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    • 2017.12.26 release
    • CRWS-0031 / ¥3,000+tax
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