好物はこっそりかくして腹のなか
後列左から:土田玲央さん、馬場惇平さん、ルークの友人役 森嶋秀太さん
中列左から:錆多田カズイ役 小林裕介さん、ノエル(幼少期)役 本多真梨子さん、カズヤ・ノリス(幼少期)役 三上由理恵さん、陣谷 遥さん、大谷祐貴さん
前列左から:カズヤ役 江口拓也さん、ルーク役 斉藤壮馬さん、ノエル役 鈴木裕斗さん、本郷コテツ役 伊東健人さん
――収録のご感想をお願いします
鈴木さん:今回色んなキャラクターがいて、その中でもノエルとコテツはすごくバランスのいい2人でした。ノエルは幼い頃からコテツに対して恋心があって、実はそれをコテツも感じていたという、実際にあったらときめく展開だなと思いながら演じさせていただきました。大人になってからは恋心を押し殺して、伝えてもどうせ無理だと諦めながらコテツに接しているのがいじらしいです。でも実は好きなんだよなとか、裏ではこういう風に思っているんだろうなと考えて演じるのが楽しかったですね。
伊東さん:コテツも結局ノエルの子供時代から惹かれていたのが最後にわかるんですが、それを抱えながらもまだ未成年だからと線引きできる、ちゃんとした大人なんですよね、コテツは。その包容力や、他のキャラクターとは違ってノエルの肉親ではない近所のお兄さん的ポジションというのを出していくのが、難しさでもあり楽しさでもありました。近所の幼馴染みで干支が一回り以上下の子と、という経験はないので、9歳差のうちの両親とか、なんとなく自分に近しいところの情報を集めながら収録に臨みました。最終的に幸せになる話が好きで、この作品も聴いた後にすごく気持ちがすっきりするお話だなと思いました。
――共演のご感想。他の作品でもよく共演されますか? 今回が初対面ですか?
伊東さん:会うことはなんやかんやでありました。
鈴木さん:役としては全く絡んだことはないですね。海外ドラマの吹き替えで収録は一緒になったんですけど、その時も役同士は絡まなかったです。飲み会とかイベントで健人くんとは会っていたから、どういう人かは知ってたんですけど。
伊東さん:本当ですか?
鈴木さん:(笑)。家で原作を読んだり台本を読んだりしていて、健人くんだったらこういう風に言ってくれるのかな、というのを想像していたのと、普段から健人くんは包容力があって優しい、ほんわかした方だなという印象があったので、自分の中ではすぐにコテツ=健人くんというイメージが結びつきました。僕はまだ彼の根深いところまで知らないのかもしれませんが(笑)
伊東さん:いやいや、あんまり変わらないですよ(笑)。仕事モードになったら、人様に言えない愚痴や下ネタが消えるくらいで、他は普段と何も変わらないです(笑)
鈴木さん:それは誰しもあるからね(笑)。健人くんとは役として絡むのも、カラミがしっかりあるのも初めてだったんですけど、イメージもしやすかったし、安心感もありました。
伊東さん:そうですね。安心感という点では、普段話しているくらいの心持ちで演じることができたような気がします。
鈴木さん:もっと「裕斗くんはこういう人です」みたいなヨイショはないの(笑)
伊東さん:(笑)。僕の知っている裕斗さんは、盛り上げ上手とか、ムードメーカーとか、先陣を切って突っ走って行くイメージなんです。だから(ノエルみたいな)チート云々とか引きこもってゲームやっちゃってるような自堕落な描かれ方をしているキャラを演じるとどうなるのだろう? (鈴木裕斗さんがノエル役なのは)意外だなと思っていました。でも(収録が始まって)声を聴いた時、真っ先に感じたのが可愛いな、だったので、僕はすんなりノエルを昔から世界一好きだったという気持ちに入ることができました。後は先輩について行くつもりでやっていましたね。歳は僕の方が上なんですけど、芸歴は裕斗さんの方が上なので。さっきまで知られてなかったみたいなんですけど。
鈴木さん:そう。年齢が下だと思ってた。
伊東さん:若く見えます~?(笑)
鈴木さん:若くは……。
伊東さん:(笑)
鈴木さん:フレッシュ感がね……(笑)
伊東さん:フレッシュ感はない(笑)
鈴木さん:今日はお互いに色々と知れてよかったですね。
左から:鈴木裕斗さん、伊東健人さん
――猫はお好きですか?
伊東さん:好きです。
鈴木さん:大好きです。
伊東さん:実際に飼ってたこともあるんですけど、手は掛かりますよね。子供の頃から育てると元気だし、走り回るし、家具とか電源コードとかすぐダメにしちゃうし、毛は飛ぶし、寝かせてくれない。
鈴木さん:なかなかワンパクな子だね。
伊東さん:腹の上に乗るならまだいいけど、朝方足を噛まれてその痛さで起きたりとか。でもまたそこが好きなところでもあるんですけど。
鈴木さん:確かに可愛らしいところでもあったりするよね。
伊東さん:だからコテツ役としては、ノエルが自分が思い描いていた猫に近いキャラクターでした。手のかかる子、みたいな。悪さもするし。
鈴木さん:もう更生しました(笑)
伊東さん:というところです(笑)
鈴木さん:僕も昔、猫も犬も飼ったことがあって、どっちも可愛くて愛情を注いでいました。ただ自分は好きな人にはしっぽ振って一直線みたいな、どちらかというと猫よりも犬タイプかなと思っているので、捉えどころがない猫とはどう仲良くなればいいんだろうというのがあったりしたんですが、歳を重ねてきて、そういう振り向いてくれない相手というのもいいなと思うようになりました。振り向かせるためにどうしようと考えたり、ガシガシ行くと嫌がる猫を上手く可愛がって、でもふいってそっぽ向かれたりするようなやり取りをしたりがすごく愛おしくて、歳を重ねるごとに猫の魅力に嵌っていく自分がいます。
ノア役 興津和幸さん
――リスナーさんへのメッセージ
鈴木さん:原作もあって、CDとしても前作があって、魅力的なキャラクターがたくさんいる作品なので、頭の中でキャラクター同士の関係性を思い浮かべながら聴くと、より一層楽しめるかなと思います。ノエルとコテツ以外のお話も、心が温かくなったり、可愛らしかったり、ちょっと切なかったり、聴き終わった後に聴いてよかったなと思えるようなお話ばかりです。前作を含めて、登場人物達の変化や関係性が進んでいく感じを味わいながらじっくり聴いていただきたいなと思っております。
伊東さん:それぞれのカップルの時間がそう長くないというのもあり、BLCDに慣れている方は勿論、あまり聴いたことがない人でも幸せな話を気軽に聴けるCDなんじゃないでしょうか。我々の担当するお話では裕斗さんの自然体の可愛さがあります。とても温かく、面白い話なでの楽しんで聴いていただければいいなと思います。
左から:江口拓也さん、斉藤壮馬さん
――収録のご感想をお願いします
斉藤さん:絵とセリフが合わさってオンリーワンな世界観を作っている作品なので、音声だけでどう表現できるのかなと思っていましたが、相手役が信頼できる江口拓也先輩ということで、とてもリラックスして楽しみながらやれた収録でした。
江口さん:原作を読ませていただいてめっちゃ可愛らしい世界観だなと思ったので、演じるのが楽しみでした。更に壮馬とがっつり絡むということでね。
斉藤さん:うん。
江口さん:これはもう楽しみでした。実際に収録を終えてみて、本当に楽しかったです。
――共演のご感想。他の作品でもよく共演されますか? 今回が初対面ですか?
江口さん:仕事でもわりと一緒になるし、よく一緒に飲むし。
斉藤さん:そうですね。同じ事務所の人の中でも、一番会ってるかもしれないですね。共演してみての感想は、「つかれ」ましたね。
江口さん:それはどっちの意味も(笑)
斉藤さん:どっちの「つかれ」かは……っていう(笑)
江口さん:そうですね。強めにやってしまったところはありますね。
斉藤さん:カズヤくんは普段の雰囲気は独特な感じなのに、いざスイッチが入るとかなり来るなと。演じていて思ったのは、突き突かれのタイミングが我々は相性が良さそう(笑)
江口さん:体の相性がいい(笑)
斉藤さん:それは感じましたね。
江口さん:(ルークを)聴いていて可愛いなと思うから、それに自分も煽られて、そんなニュアンスを入れてというやり取りができたので、すごく楽しかったですね。
――猫はお好きですか?
江口さん:壮馬は動物が怖いからね。
斉藤さん:猫だからということじゃないんですよね。
江口さん:すべての動物がね。引っ掻いてきたりするから。
斉藤さん:そうですね。ガラス1枚隔てていたいかな。
江口さん:(笑)
斉藤さん:動物は人間の怯えに敏感なので、友達の家の猫ちゃんとかも、こっちがびびっていると上に乗ってくるんですよね。「こいつ、びびってるぞ~」みたいに。
江口さん:煽りが強い(笑)
斉藤さん:だからあんまり……。フリートークであったネコミミは可愛いと思います。
江口さん:まあね。
斉藤さん:作中でもしっぽで。
江口さん:やり取りするのが。
斉藤さん:そう! そういうところや、しっぽで機嫌がわかっちゃうのは可愛いなと思いました。拓也さんは猫好きですか?
江口さん:好きですね。実家で飼っていたというのもあって、猫の気まぐれなところが好きで、犬よりも猫派です。俺も放っておいて欲しいタイプだから、グイグイ来られると「おいおい、やめてくれよ」って。猫のたまに擦り寄ってくる感じが好きです。だからすごく甘えてくる猫だと苦手ですね。
斉藤さん:適度な距離間のある猫が好き。
江口さん:そう。「飯の時間には来るけど、それ以外はさ……」「自由に生きていたいんだけど」って。
斉藤さん:それは猫の話でいいんですよね?(笑)
江口さん:猫です(笑)。「お前もそう思うよな。俺も」って。
斉藤さん:自分の話じゃん(笑)。「俺」になっちゃった(笑)
――リスナーさんへのメッセージ
斉藤さん:一組だけではなく色んな愛の形が描かれているので、僕らの組も勿論そうですが、全カップルを楽しんで聴いていただけたら嬉しいです。本当にすごくユニークで素敵な世界観なので、ぜひ原作と合わせて何度でも楽しんで下さい。よろしくお願いします。
江口さん:前作があって、その続きの子供編ということで、前作との繋がりを意識しながらやらせていただきました。裕介の声を聴いた時には「あ、ママだ」と思ったりもして。
斉藤さん:それ思いました。
江口さん:そういった繋がっている感じも面白かったし、今回新たなカップルとして成立したのでこれがまた脈々と受け継がれていく今後も見たいなという気持ちも強いです。もっとパパママと関わってみたり、また演じる機会があるといいなと思いつつ、まずはこの作品をたくさん聴いていただいて、楽しんでいただけたら嬉しいです。
左から:米蔵良治役 野瀬育二さん、ノリス役 中島ヨシキさん、夜須田メロ役 小野友樹さん、ラグドール(ノリスの先輩)役 仲村宗悟さん
――収録のご感想をお願いします
小野さん:BL作品は1作で台本が7~80ページ※1になるんですけど、今回は色んなカップルがいる中の1カップルだったので、ページ数だとそれほど多くはなかったです。多くはなくても、彼らの青春を一気に駆け抜けたような凝縮された展開になっていて、オムニバスの中の1カップルにしては、本当に濃い内容の作品をやらせていただいたなと思っています。時間的にはあっという間だったけれども、そんな濃い時間を初めてヨシキと過ごせたのが楽しかったです。
中島さん:猫から進化した人達で、ノリスも他のキャラクターもみんな両親がいてと、世界観がすごく独特でした。前作がドラマCDになった時に、出演してらした皆さんのtwitterとかで情報を見ていて、ネコミミが生えているんだなと思っていたら、まさか自分が。
小野さん:生えるとは(笑)
中島さん:子供世代で関わらせていただくことがあるとは思っていなかったので、知っている作品に出られて嬉しいなという気持ちもありました。ノリスは他のトラックの過去や後日談でにも(「こっそり」とは)違う年齢で登場していて、生まれた時から今までを演じさせていただけて、本当に濃厚で濃密な時間だったなと思います。
※1 台本の書式によって、同じ収録分数でもページ数は変わります。
――共演のご感想。他の作品でもよく共演されますか? 今回が初対面ですか?
――フリートークで初対面と話されていましたが、キャラ同士の会話はなくても、同じ現場にいたことはありますか?
中島さん:(同じ現場の)隅っこにいたりしたことは実はありました。
小野さん:だからがっつりは初めて。こうやってちゃんとお話するのも初めて。
中島さん:そうですね。
小野さん:それでいきなりBLってね(笑)
中島さん:(笑)
小野さん:なかなかですよ。
中島さん:なかなかない(笑)
――実際に共演してみてどうでしたか?
小野さん:あえてBLという括りをすると、やっぱりカラミに関してのアプローチの仕方が様々あって、その中で今日は僕らなりのシーンを作りたかったので、ちょっとディスカッションしたりしていました。
中島さん:アドバイスしていただいたりとかもあって。僕はBL作品に出させていただくようになってから、役者としてキャリアが先輩の方とCDを作る機会がそうたくさんあったわけではないので、吸収できることは全部持って帰ってやろうと思いながらやっていました。BLとしての関係性は僕が攻めで小野さんが受けだったんですけど、導いていただいていました。
小野さん:受けが導く(笑)。誘い受け(笑)
中島さん:お芝居的なところで(笑)
――猫はお好きですか?
小野さん:犬派猫派みたいな話だと、僕は犬派というのはありつつ、某夢と魔法の国では、いたずら好きのピンクの猫が、アクセサリーを持っているくらい好きだったりします。猫ちゃんのいたずらっ子みたいなイメージは好きですね。
――道行く猫をかまったりは?
小野さん:逃げるんですよね。逃げられます。
中島さん:そういう方いらっしゃるんですよね。僕は猫を飼っていて一緒に生活しているので、好きじゃなかったらそもそも、みたいなところがあります。色んなところで言っているんですけど、僕は自分のことを猫アレルギーだと思っていたんですよ。小学校の頃に猫を飼っている友達の家に行くと、涙が止まらない、鼻水が止まらない、みたいな感じで。でも大人になってアレルギー検査をしたら実はなくて。
小野さん:友達の家の何かが(笑)
中島さん:ハウスダストとか(笑)。猫がいる家庭だと走り回って毛やホコリが舞い上がるから、そういうことだったのかなと思いつつ、アレルギーがないんだったらこの機会にと飼いました。実家では犬を飼っているのに、母親も重度の動物アレルギーで……。
小野さん:じゃあワンちゃんも?
中島さん:ダメなんですけど、自分の家の犬は馴れるみたいで。
小野さん:不思議。
中島さん:でもペットトリマーやってるんですよね。
小野さん:なんなの(笑)
中島さん:試練を自分に(笑)。よその子を連れてくると延々とくしゃみしてますね。
小野さん:それなのに一生懸命トリミングしてるの?
中島さん:はい。好きが高じてなんですけどね。可哀想だなと思いながら見ています。
小野さん:諦めないってすごいよね。
中島さん:専門学校行って、資格まで取ってやってますからね。
小野さん:本気だ。すごい。
――リスナーさんへのメッセージ
小野さん:ケモミミしっぽの可愛いキャラがくんずほぐれつ(笑)、だけじゃなく、ストーリーの中で色んな感情が生まれて、それをページ数が少ないとはいえすごく濃密に描いている作品なので、原作ファンの方はもちろん聴いて欲しいですし、原作を未読の方はドラマCDから入っていただいて、後から原作を読んでいただいても嬉しいなと思っております。僕とヨシキの初カラミ。
中島さん:記念すべき。
小野さん:しかもかなり久々に受け的な、右側的なお芝居をさせていただきましたので、皆さんに聴いていただけるのが嬉しいやら恥ずかしいやらですけど、ぜひこの作品に一度触れていただいて、原作もドラマCDも愛していただけると嬉しいです。ぜひ聴いて下さい。
中島さん:1枚のCDに3カップル入っていて、それぞれが違う人生を歩んでいて、それぞれが違う魅力を持っているので、すごくバラエティに富んだ作品です。1つ1つのカップルや子供達をクローズアップすると永遠にお話が続けられる。短い中にすごくたくさんのエピソードや感情の流れが詰まっている作品で、飽きることなく一気に聴いていただけるのではないかと思います。今回はシリーズ第2弾なので、原作もCDも第1弾から全部まとめて聴いて、読んでいただけたら嬉しいなと思います。