好物は真夜中のうちに腹のなか
後列左から:駅のアナウンス役 林 大地さん、「グリム道話」ゲスト役 安田陸矢さん、高城兄弟役 三好晃祐さん、「グリム道話」ディレクター役 奥村 翔さん、奏多役 浜田洋平さん
中列左から:タレント役 永野由祐さん、タクミ役 市川 蒼さん、高城兄弟役 小林千晃さん、鈴之助役 榊原優希さん
前列左から:滝浪正親役 高塚智人さん、真鍋グリム役 前野智昭さん
――収録のご感想をお願いします
前野さん:独特の世界観で色んな楽しめる描写がある作品でした。高塚くんとメインで絡ませていただくのも初めてで、すごく楽しかったですね。色んなカップリングがあって、キャラクター同士の掛け合いもとても面白かったですし、サブキャラクターも魅力的な子が多かったです。鈴之助とかタクミとかとももっと掛け合いをしてみたいな、なんて思いながらやらせていただいていました。
高塚さん:今回こうして原作がある作品に出演させていただくにあたり、原作のレビューも読んでみたんですけど……。
前野さん:ひじょうに高い支持を得られているなと思いましたね。
高塚さん:そうなんです。その時にこの作品の期待値が大きいことを感じましたね。実際、原作を読ませていただいて、正親くんや他のキャラクター達がとっても魅力的ですぐに物語に入り込めました。プレッシャーも感じましたが、その分気合を入れて挑ませていただきました。原作ファンの方々も納得できる正親くんになれていたら嬉しいなと思います。
前野さん:グリムの「声がいい」もハードル高い(笑)。超売れっ子俳優とイケボのラジオパーソナリティというハードルの高い役でしたけど、すごく楽しくやらせていただきました。
高塚さん:本当に楽しかったです。
――共演のご感想。他の作品でも共演したことはありますか? 今回共演してみてどうでしたか?
前野さん:共演させていただいたことはあります。
高塚さん:はい。
前野さん:CD巻末のフリートークでも言いましたけど、高塚くんはクールな役どころの方が多いイメージだったんです。でもご本人に伺ってみると、実はこういう柔らかいキャラクターもよくやられているということだったので、新しい発見がありました。(共演してみて)やりやすかったです。ふたりの濃厚なシーンとかも感情とか動きがわかりやすかったですし、僕はいわゆる受けのキャラクターをやらせていただくことはそんなに多くはないんですけれども、それでもすごく気持ちがわかるななんて思いながらやらせていただいていました。
高塚さん:実は声優を目指す前に前野さんのインタビューを読んだことがありまして、その時の「99%が運ですよ」みたいなコメントが僕の中で大きく残っていて。今までオーディションで落ちた時とか、挫折したり悩んだ時とかに、「でもこれも運なんだ」と前野さんの言葉に支えられた瞬間が何度もありました。
前野さん:それは嬉しいな。
高塚さん:そんな先輩とこうやってメインキャラとして絡ませていただけるということで、お仕事が決まった時からすごく緊張していたんですけど、先程も色々と嬉しいことを仰って下さって。個人的な話で申し訳ないですけど。
前野さん:とんでもない。
高塚さん:一役者としてすごく勉強になった現場でした。
前野さん:こちらこそ新しい発見がたくさんある現場でした。
左から:高塚智人さん、前野智昭さん
――猫はお好きですか?
前野さん:可愛らしくて僕は好きです。あのフォルムも可愛いですし、犬も好きですけど犬とはまた違った気分屋なところも可愛いなと思います。手はかかるんでしょうけど、適度に放っておいていいイメージがあるので、そういった部分でも僕向きだなと思いますね。僕ももし誰かに飼われたりしたら、放っておいて欲しいところがあるんですよ。べったりは嫌だから、そういうところで猫は僕と波長があう動物なんじゃないかなと昔から思っていました。
高塚さん:犬派か猫派かと言われたら絶対に猫派と言うくらい猫が好きです。実家ではずっと猫ちゃんと一緒に暮らしていて、やっぱり猫って1匹1匹性格が違うので、原作を読んでいる時に「あ、このキャラクターはこのタイプの猫だな」みたいなことを考えて楽しんでいました。うちの猫は完全に正親タイプですね、ベタベタに甘えてくれる子なので。
――リスナーさんへのメッセージ
前野さん:僕にとって色々と勉強になる収録でしたし、高塚くんとメインで携わらせていただけたこともあり、すごく大切な作品になっています。色んなカップリングが楽しめる作品ということで、またグリムと正親が登場する機会もあるかもしれません。とりあえず今回僕らはすごく頑張って演じさせていただきました。CDを聴いていただいて、蔓沢先生や色んなところに感想を送っていただいて、ドラマCDも原作ともども応援していただけると嬉しいなと思います。
高塚さん:原作ファンの方はもちろんですけど、今回ドラマCDになるということで気にかけて下さった方にもきっと楽しんでいただける作品になっていると思います。僕のオススメのシーンは後半くらいでグリムが「待て」と止めに来るところです。原作を読みながら「うわ~っ!」となりました。キュンキュンするシーンが色んなところに散りばめられていたり、キャラクターごとの心情も細かく描かれているので、そういったところも楽しんでいただけたらいいなと思っております。
左から:阿尾志いさみ役 高坂知也さん、夜須田直親役 白井悠介さん、夜須田景虎役 三宅健太さん、依田清一郎役 帆世雄一さん
――収録のご感想をお願いします
白井さん:前回の収録が3年前ということで、台本を読みながら「そうそう、ここはそうだった」「こういう性格だった」と思い出していきました。作中ではモノローグで過去のことを説明してくれているので、当時を振り返りながら楽しく収録させていただきました。
三宅さん:久しぶりでしたね。何年経っても直親と相変わらず甘酸っぱい感じをやっている辺りは、羨ましいというか「こうありたいよね、夫婦って」という気持ちになります。そんな甘酸っぱい想いを感じながら収録させていただきました。
――何年経ってもいちゃいちゃしている直親と景虎。人と長く付き合うコツはなんだと思いますか?
三宅さん:僕は家族もいますし、自分がやっている朗読の団体は専門学校時代からの付き合いなんで、20年くらい続いているんですよね。なんで長く付き合っていられるのかと言われると、今回の景虎と直親もそうですけど「相対的に見たら仲がいい」、これが重要だと思うんですよね。仲がいい中でも細かくぶつかったり、ちょっと疑ってみようかとか、ちょっと拗ねてみようかとか、外的要因で「あいつ誰だ」とヤキモチ焼いたり。でもそういうことってすごくエネルギーを使うし、疲れてくるじゃないですか。それを嫌いな相手だったり、なんとも思わない相手にやるのはしんどいんですよ。
白井さん:そうですね。
三宅さん:疲れたから距離置こう、ってなるじゃないですか。
白井さん:なりますね。
三宅さん:だからそういうのを繰り返しても疲れない人を選ぶのが大事なんじゃないですかね。
白井さん:一緒にいて気を遣わない人とか。
三宅さん:そうそう! でも「たまにはちょっと気を遣ってくれよ」みたいな。
白井さん:確かにそういう時もありますね(笑)
三宅さん:時には「気を遣うなよ」って。
白井さん:距離感が難しいですね。
三宅さん:その難しさを大変だと感じない相手がいいんじゃないですかね。漫画家さんと編集さんも「〆切なんだから頑張って!」「描けない……」ってバチバチやりながらも原稿が完成するんだから、上手くやり合える相性ってことですよね。
白井さん:叱咤激励しながら。
三宅さん:そういうことですな。
白井さん:僕は長く続いている友達は片手で数えられるくらいだし、なかなかそういう相手がいないのかもしれないです。あまり人と深く関わるタイプじゃないんですよね、浅く……。
三宅さん:広く?
白井さん:広くもないです。浅く狭く?
三宅さん:浅く狭く……。人付き合いがあまり得意ではない?
白井さん:そうなんですよ。
三宅さん:おひとり様……。
白井さん:一人が楽なのもありますね。楽なのはありますけど、誰かと一緒に旅行に行ったり、遊びに行ったりというのも楽しいだろうなと思うので、僕はこれからですかね。
三宅さん:僕は浅くができない。広く浅くもやっぱり苦手で、どちらかと言うと深く狭く。だからめちゃくちゃ仲がいい友達がいたら、そいつだけでいいんですよね。広くもできないんです。仕事をする上でひじょうに不便(笑)
白井さん:(笑)
三宅さん:相手から気軽にって言われても、僕は浅くが上手くできないから、仕事の時、時々そっけなく思われることがありますね。全然そんなことはないんですけど、ちょっと仲良くしようと思うと深すぎて。
白井さん:匙加減が……。
三宅さん:できない。だからもし僕と仲良くなっていただける方は、お互いに掘り下げられる関係で。狭く深くでも、狭く浅くでもいいわけじゃない。人それぞれだよ。
白井さん:ちょうといい距離感でいられればいいんですよね。
三宅さん:そういうのを許容してくれる相手といるのが、長続きするコツじゃないですかね。
左から:白井悠介さん、三宅健太さん
――リスナーさんへのメッセージ
白井さん:今回の直親と景虎のふたりは本当に久しぶりの登場になりまして、僕も久しぶりに原作の漫画を読ませていただいたら「こんなにエロかったっけ!?」って。
三宅さん:(笑)
白井さん:すごく濃厚、濃密な絵と描写で、「そうかそうか、こんなにエロかったか」っていうのが。
三宅さん:思春期(笑)
白井さん:思春期ではないです(笑)。そこを上手く音にしてお届けできればなと思っていました。直親の可愛らしい部分と、景虎の男らしいところがいい感じに出てきたんじゃないかと思いますし、新たな登場人物に引っ掻きまわされる中で、お互いの気持ちを知って、またひとつ成長する重要なお話だったんじゃないかと思いますので、ぜひ聴いていただいて、そしてまたふたりの今後を楽しみにしていただければなと思います。よろしくお願いします。
三宅さん:今回の我々のエピソード、ひじょうに楽しかったです。新登場した阿尾志くんと依田さんは景虎と直親のファーストコンタクトを見ているようで、ちょっと微笑ましかったですね。擦り寄ったりぷんぷんしたりている感じが可愛いなとふたりのやり取りを見つつ聴きつつしながら、僕の中の景虎を思い出していった部分もあって、そういう意味では時間を遡ってまた最初から掘り下げて行ける感じがして楽しかったです。いくつになっても人前でいちゃいちゃするのは照れくさいな(笑)。いいですか、皆さん。くれぐれも職場では色々考えていただきたい。
白井さん:誰かに見られてますから。
三宅さん:職場にもし相手がいらっしゃるのであれば、なんとかその気持ちを体の中に溜め込んでおいて、プライベートでふたりきりになった時に我々のようにフェロモンを爆発させて愛し合っていただけたらなと思います。
白井さん:(笑)
三宅さん:正に景虎と直親はそれを体現していると受け止めていただければと思っております。好物は真夜中に、おうちでお楽しみ下さい。よろしくお願いします。
左から:滝浪蓮太郎役 古川 慎さん、米蔵ユウジ役 田丸篤志さん
――収録のご感想をお願いします
田丸さん:本当に久しぶりにユウジを演じることになって、続きがやれるというワクワクと、ちゃんとできるだろうかという不安とがありました。そして何より、一読者としてまさか自分達の子供の恋愛をここまでがっつり見守る立場になるとは思っていなくて、不思議な気持ちになりました。そんな気持ちで原作を読んでいたからか、実際に親の立場を体験したことはないのに勝手にソワソワしています。一般作でも父親を演じることはゼロではないけれど滅多にないので、子供の恋愛を見守るのは初めてでした。
古川さん:なんと前作を録ったのが約3年前。
田丸さん:あらま。
古川さん:3年という月日が経ち、改めて滝浪蓮太郎をやらせていただくことになりました。作中では3年どころではない時間が過ぎていて、まあびっくり。前作でも何か続きのお話があればまたやらせていただきたいと話していたかと思いますが、続きも続き、ほぼ半生でした。ここまでキャラクターの人生を追わせていただけるのは感慨深いです。前作でふたりの恋愛模様があって、時が経って子供ができて、今作で子供の恋愛模様を見守ることになって、このペースで行くと次はお墓の問題になってくるんじゃないだろうかと(笑)
田丸さん:(笑)
古川さん:でもそこまで彼らの人生に付き添えたらそれも面白いなと思いながら、今日の収録に臨ませていただきました。久しぶりの収録で懐かしさもあり、今回はふたりだけだったのでちょっと寂しさもありました。熟年夫婦感みたいなものが出せていればいいなと思っております。
――タレントとして成長したタキのように、自分が役者として一歩成長できたと思えたことはありますか?
田丸さん:ないですね。
古川さん:ないです。
田丸さん:特にないです、正直。
――ない?
田丸さん:はい。昔に比べたらお仕事が増えた実感はありますけど、だからと言って「よし! 俺は行けるぜ!」みたいな瞬間なんてないですし、常に不安もあります。そういう意味では前作を録った時と、僕は気持ち的にあんまり変わってないのかなと思いますね。ただ後輩ができた時に環境が変わったなと感じます。後輩から「先輩」と呼ばれると、「あ、先輩なのか」って。
古川さん:「田丸先輩」。
田丸さん:(笑)。そういうのがあるくらいで、自分自身としては成長した感覚はそんなにはないですね。だからユウジさんみたいなマネージャー募集中です。いてくれたら絶対助かるんで(笑)
古川さん:たまにフェロモンで倒れちゃう(笑)
田丸さん:ちょっと大変なところはあるんですけれども、ユウジさん募集中です(笑)
古川さん:僕もないんですよね。いつも、この先ずっとこのままやっていけるという安心感はなくて、今目の前にある出来ることを全力でやるという気持ちが大きいです。成長したと思える部分がないわけではないけれど、このままいけるかと言われるとそうではない。でも図太くなったとは思います。これは自分にはできないとか、これは難しいというのは、ちゃんと言えるようなったかなと思います(笑)
田丸さん:確かに図太くなったはあるかもしれないですね。わかる気がする。
古川さん:図太くなった分、太くなった自分が出せるものも太くなった感じはあるかもしれません。図太さと出せるものが比例しているかどうかはわからないですけど、これからも頑張ります。
田丸さん:そうですね。結果その言葉に全て集約されますね。頑張ります。
――リスナーさんへのメッセージ
田丸さん:その後のユウジと蓮太郎の関係性を聴いていただきつつ、僕ら二人と同じような立場で、親心で子供達の恋愛模様も聴いていただけると、また新しい楽しみ方ができるのかなと思います。ぜひぜひ最後まで、そして何度も聴いて下さい。
古川さん:前作からちょっと時が進んで、我々の子供達の物語がメインになっているんですけれど、ちゃんと我々のムフフなシーンも入っています。前作からこのカップリングが好きな方にとっては、大変良いポイントなんじゃないかと思います。タキくんもオスになったなと垣間見られるところがありました。
田丸さん:(笑)
古川さん:『好物はいちばんさいごに腹のなか』『好物はこっそりかくして腹のなか』『好物は真夜中のうちに腹のなか』ときて、次はどの『腹のなか』になるのかが個人的に気になっています。予想としては『朝からいっぱつ腹のなか』とかになるのかなと(笑)
田丸さん:(笑)
古川さん:楽しみですね。漫画もCDも続いていけるよう、これからも愛していただけるとありがたいです。よろしくお願いします。